また知らない ページ24
〜Your side〜
咄嗟に腕を掴まれたので何かと思えば、至近距離に彼が───。
先程までの優しい雰囲気の彼と全く異なり、至極真剣な表情で、真っ直ぐ、ただ一点…私を見つめて、一緒に居てほしいと言う。もう、混乱しっ放しだ。
一先ずこの場から抜け出したくて、私も咄嗟に物を取りに行きたいと言ってしまったが、普段の彼に戻って『行ってらっしゃい』と送り出された。
自室に戻り、ドアを閉めた瞬間に力が抜けて、その場に座り込んでしまった。
改めて気付いた心音の速さ、大きさ。
緊張故に荒くなった呼吸。
隠しようがない真っ赤に染まった顔。
そして、力が抜けて今は立てもしないという現状。
それ以外のことは、頭の中にない。
「どうして、こんな…」
いくら男性に免疫がないと言っても、こんなことになる筈がない。
昨日だって、力が抜けて座り込む…なんてことはなかったし…
昨日のアレで、より免疫がなくなったとでも言うのか。
それじゃあ、近寄られたら誰にでも赤面すると言うのか。
……本当にそうなんだろうか。そうでなければ、一体何が…
「これ以上待たせたら悪いな、早く行かないと…」
漸く立った私は机の上のペンとメモ帳を掴んで部屋を出て、サンジさんが居る隣の父の部屋に向かう。
「すみません、お待たせしました。」
「全然待ってなんかないよ〜♡」
こっちにおいでと言わんばかりに、あまりにも自然に隣に来るように促すので、思わず隣に行きそうになったが、迷惑をかけかねないので、机の方の椅子に腰をかける。
ごめんなさい、サンジさん…これ以上ご迷惑をおかけするわけには…
「クールなAちゃんも素敵だ〜♡」
問題なさそうで良かった。
安心してずっと手に持っていた物を机に置くと、彼は立ち上がって私の側に寄り、原稿用紙を覗いていた。
今は、何ともない…じゃああれは...
今はそんなことを考えるのをやめ、少し緊張しながら彼が読んでいる姿を眺めていた。
「凄いなAちゃん…俺にはこんな文書けねえよ。思いつきもしねえ。Aちゃんの天職だな。」
私が作家になったきっかけは、父だった。
父も作家だったのだ。そんな父をずっと見ていたら、いつの間にか自分も作家の道を歩んでいたのだ。
本棚の本は、全て父が執筆したもの。
そう告げると、彼は一冊一冊、大事そうに触れていた。
まるで、宝物に触れるかのような…
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アルナ(プロフ) - 五月さん» コメントありがとうございます！あらら、夢主ちゃん強しですね…文才だなんて、嬉しいお言葉ありがとうございます…！ (2020年10月21日 22時) (
レス) id: 7b1df57a60 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - チリーノさん» コメントありがとうございます！キュンキュンできるよう頑張ってます！笑 当初は出す予定のなかったキャラなので、評価頂けて嬉しい限りです…！ (2020年10月21日 21時) (レス) id: 7b1df57a60 (このIDを非表示/違反報告)
五月 - サンジ目的で見ていた筈なのに、いつの間にか夢主ちゃんが見たくて来てる...アルナさんの文才からなせる業ですね!(^^)! (2020年10月21日 7時) (レス) id: e42a882344 (このIDを非表示/違反報告)
チリーノ - もうキュンキュンしっぱなし!!!ヴァルドくんカッコイイ〜(//∇//) (2020年10月19日 21時) (レス) id: c3fee6268f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルナ | 作成日時：2020年9月14日 15時
