何て優しい… ページ17
〜Sanji side〜
1秒でも早く情報を手に入れたくて、止まることなく歩いて来たが、つい先程まで聞こえていたマリモとチョッパーの声が聞こえなくなり、まさかと恐る恐る振り返る。
「ん？あ！あいつらどこ行きやがったァ！…まあ、いいか。どっかにはいンだろ。」
後で回収に行けば良いだろうと、迷うことなく先へ進む。
そして、昨日来た繁華街の前で立ち止まる。
「しっかし人が多いなァ。10m先に進むのも楽じゃねェ。」
昼間ということもあって、Aちゃんと来た時より人が多い。
いっそ飛んで行こうかとも思ったが、こんなに人が居る中で"人間が空を飛んでる"なんて注目されちゃ、後々面倒だ。
仕方なしに、一歩ずつゆっくりと進むと決めた。
進んでみて気付いたが、やはり昨日より時間がかかる。
そりゃ人が夕方より多いというのも要因の1つなのだが、何故か昨日のように上手く前へ進めない。
そこで俺は、あることに気付き、衝撃を受けた。
あの時、Aちゃんは人混みの中から人が通れる隙間を瞬時に見抜き、俺に負担がかからないように先行してくれたと、今瞬時に理解した。
何て優しいんだAちゃん…
この瞬間、俺はまた彼女に落ちた。
俺はあと何回彼女の魅力に落ちるのだろうか…もう切ねェよ、Aちゃん...
また切なくなった胸に手を添え、戒めのように強く一回叩く。
情けない顔を晒すより先に、やるべきことを思い出し足を進める。先程より、幾分か早いスピードで。
そこで漸く人混みを抜け、ヴァルドの店へと直行する。
入って1番に目に飛び込んで来たのは、店主のヴァルドともう1人、初めて会った筈なのに、どこかで会ったような…そんな風に思わせた後ろ姿のレディ。
「サンジさん！いらっしゃい！」
「サンジ？ああ、麦わらの一味の…」
振り返ったレディは、俺の顔を見るなり微笑んだ。
何て素敵な笑顔だ…んー、やっぱりどっかで見覚えが…
「サンジさん、そんなに凝視してたら穴開いちまうよ。」
「え、あ、も、申し訳ねェ！」
「ふふ、良いんですよ。」
思わず凝視したまってた…レディを困らせやがってこのクソコック...
土下座して謝罪すると、そのレディが顔を上げた俺に合わせて蹲み、口を開いた。
「どうも初めまして、Aの母のソアラと申します。娘から話は聞いていますよ。」
「えぇぇ？！」
まさか、Aちゃんより先にお母様に会うことになるなんて思っておらず、驚き過ぎて身を引くと、壁に頭をぶつけた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 237人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アルナ(プロフ) - 五月さん» コメントありがとうございます！あらら、夢主ちゃん強しですね…文才だなんて、嬉しいお言葉ありがとうございます…！ (2020年10月21日 22時) (
レス) id: 7b1df57a60 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - チリーノさん» コメントありがとうございます！キュンキュンできるよう頑張ってます！笑 当初は出す予定のなかったキャラなので、評価頂けて嬉しい限りです…！ (2020年10月21日 21時) (レス) id: 7b1df57a60 (このIDを非表示/違反報告)
五月 - サンジ目的で見ていた筈なのに、いつの間にか夢主ちゃんが見たくて来てる...アルナさんの文才からなせる業ですね!(^^)! (2020年10月21日 7時) (レス) id: e42a882344 (このIDを非表示/違反報告)
チリーノ - もうキュンキュンしっぱなし!!!ヴァルドくんカッコイイ〜(//∇//) (2020年10月19日 21時) (レス) id: c3fee6268f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アルナ | 作成日時：2020年9月14日 15時
