知識あっての小説 ページ14
〜Your side〜
「お、来たな。ちゃんと仕入れておいたぜ。」
「流石、仕事が早い。」
サウザンド・サニー号からの帰り道、ヴァルドの店に立ち寄った。
昨日、母の新メニューの試作のために、酒場で調理する材料を頼んでおいたのだ。
今日は午前中は休みなので、とことんやると張り切っていた。
「いつもサービスしてくれてありがとう、正直助かってる。」
「いつもお前ら家族には世話になってるからな、そのお返しだ。」
だからその分、大量の材料がいる。
ヴァルドはきっと、それを見越しているのだろう。
長年の付き合いになるが、やっぱりヴァルドには敵わない。そう改めて感じた。
ヴァルドの店を後にし、母が居る酒場へ向かい、材料を届けた。
私の顔を見るなり、いかにも興味津々といった感じで質問攻めを喰らった。
そこでもやはり、気になる人はいないのかと聞いてきたので、食い気味で否定した。
「いいなーって思う人、1人も居なかったの？」
「良い人達だなとは思うけど、母さんの言ってる意味では…」
「とか言ってる子に限って、案外早く恋人作るモンなのよ。Aもそろそろかもね〜」
はいはいと軽く流して酒場を出る。これ以上茶化されたら堪ったものではない。
家に着き、真っ先に自室の寝具に横たわったが、生憎目が冴えているので眠気なんか来る筈もなく、代わりに昨日の思い出が蘇った。
お礼をしたいけど、私が出来るお礼……
と、考えている内に机に向かっていた。
悩み始めたら、取り敢えず机に向かってみる。これがもう癖になってしまっていた。
でも、良い案が浮かぶのも事実。反して筆ばかりが進むことがあるのも事実。
今日はどうやら、後者らしい。
「有名人との突然の出会い…非現実的だけど、ロマンを感じられるワンシーンではある。けど、何か違うな…」
お礼を考えていた筈が、すっかり作家モードに切り替わってしまい、独り言を言う始末。
ああでもない、こうでもないと同じところで何度も考え、最終的に振り出しに戻ることもしばしば。
プロットがある程度決まっていれば、使うシーンも、言葉も、キャラクターの性格も限られてくる。
プロットがなければ、制限はないが、一歩間違えれば駄作と呼ばれる作品になってしまう。
「続きを書くには、海賊の事をもっと知る必要があるな...また会いたいなあ。」
そんなことを思っていたら、いつの間にか瞼を閉じていた。
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アルナ(プロフ) - 五月さん» コメントありがとうございます！あらら、夢主ちゃん強しですね…文才だなんて、嬉しいお言葉ありがとうございます…！ (2020年10月21日 22時) (
レス) id: 7b1df57a60 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - チリーノさん» コメントありがとうございます！キュンキュンできるよう頑張ってます！笑 当初は出す予定のなかったキャラなので、評価頂けて嬉しい限りです…！ (2020年10月21日 21時) (レス) id: 7b1df57a60 (このIDを非表示/違反報告)
五月 - サンジ目的で見ていた筈なのに、いつの間にか夢主ちゃんが見たくて来てる...アルナさんの文才からなせる業ですね!(^^)! (2020年10月21日 7時) (レス) id: e42a882344 (このIDを非表示/違反報告)
チリーノ - もうキュンキュンしっぱなし!!!ヴァルドくんカッコイイ〜(//∇//) (2020年10月19日 21時) (レス) id: c3fee6268f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アルナ | 作成日時：2020年9月14日 15時
