【神童拓人】ある日恋に落ちたのは俺の〇〇でした (ページ18)

今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:2,527 hit

拓人side9 ページ18

霧野『神童…』

拓人『霧野……？』

部活が終わり、着替えを済ませ校庭に戻ると、”今日は一緒に帰ろう、先にAと待ってる”そう言って更衣室を出た霧野が1人で待っていた。

霧野『Aは天馬と約束があったみたいだな』

拓人『天馬と約束…？』

霧野『聞いてなかったのか？』

拓人『ああ、それに……』

Aが俺に何も言わずに帰るなんて初めてだ。

霧野『神童？』

拓人『…どうして、言ってくれなかったんだ……？』

霧野『………。』

水鳥『よくわかんねーけど、Aにも色々あるみたいだぜー』

拓人『瀬戸…？』

聞いていたのか、瀬戸が話に加わる。

水鳥『あれでもかなり沈んでたみたいだし、あんま責めるなよ〜！Aをいじめるのは、あたしの特権なんだから！』

拓人『…ああ。』

霧野『いや、いじめるなよ』

朝から様子がおかしいことは分かっていた。

だが、天馬と出かけられる事は良い事じゃないのか？

何か俺には言いたくない理由があったのか……？

拓人『こうやって、どんどん俺が知らないことが増えていくのか…』

霧野『神童…』

水鳥『ぷっ』

霧野『おい！』

俺の言葉に瀬戸が笑い、笑った瀬戸に霧野が怒る。

水鳥『悪い悪い〜』

水鳥『そんなにAの事が気になるなら、告れば良いじゃん』

拓人『…それが出来たら、こんなに苦労していない。』

水鳥『ヘタレだな〜』

拓人『Aのためだ。』

水鳥『…そう思うなら、本当にAのためになってやれよ』

瀬戸は最後にそう呟き、去っていった

拓人『本当に、Aのために……？』

優しくしろってことか…？