【リレー小説】スカイハイ転生学園！～職業体験編～ (ページ2)

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「おーっ、いいですね」
　「でしょ？大好きなの。じゃあいただきまーす！」
と、ハチ先輩はスプーン片手にオムライスに食らいついた。
金属のスプーンの先で、オムライスの表面の玉子焼きが次々に破壊されていく。
アリスワールドの創造主じゃなく、これじゃ世界の終末を告げるアルマゲドンだな。
「メリアちゃん職業体験先、どこいくの？」と、先輩がオムライスを頬張りながら言う。
ハチ先輩の様は、どこかどんぐりを食べるリスを彷彿とさせた。
　「職業体験先？ですか？」
　「うん！」
私は『はしごたか』にしたよー、先輩が付け加えた。
そうだ。すっかり忘れていた。
イースターイベントの二週間後には、毎年のように職業体験(第一回)がある。
色んな所で一週間体験をするんだった。正直、まったく興味はない。
なので、人数が足りないところに埋め合わせのように参加するつもりだったのだが。
一人で悶々としていると、他の魚たちの観察日記をつけていた山口先輩が日記をつけ終わり、くるりと振り向いた。
　「私はスカイハイ巨大図書館にしましたね」
山口先輩がそういってにっと笑った。
私はどうしようか。
たいして、いや一切の興味がない。でも行くことは絶対だ。
その時、ある考えがすっと私の頭をよぎった。
この手は使いたくなかったが、もうこうするしかない。
私は心の中で苦笑いしながら、机の上に散らばっているシャーペンを一本、手に取った。
そしてノートの端にさらさらっとこう書きつけた。
　『ひだまりベーカリー
　唐揚げモータース
　３９マート
　スカイハイ巨大図書館
　エンジン消防
　出雲総合病院・薬局
　ポワロ劇場
　すずらん
　恐羅神社
　はしごたか』
店名に抜けが無いか確認してから並んだ文字に向かって、シャーペンを倒す。
　『３９マート』。
よし、決まった。
私は『職業体験申込書』の『３９マート』と書かれているところに丸をつけた。