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意味深カプセル【テトラ】 ページ3

―疲れた。
はぁ。
と、頬杖をついて外を見ながら馬鹿でかいが音は小さい溜息をかます。
音は小さな溜息は教室に響くはずもない。
そう思っていたのだが、教室内は案外静かで意外に溜息の音が響いた。
目の前で展開される予想外の出来事に、少し驚く。
教室内はとても静かだ。
そこで、ふと松尾芭蕉の俳句を思い出した。が、たいして役にも立たないアプリ活用術しか能がない私の脳に俳句の有名人の一句なんていうものは入っていない。いや、当然の事か。
なんだったけ、蝉云々言ってた気がする。
その蝉云々を詠んだ松尾芭蕉の生まれ変わりも、もしかしたらこの学園の中にいるのかもしれない。
その人は男?女?今頃何やってる?
これはただの邪推にすぎないけれど、食堂で昼飯でも食ってんだろう、どうせ。
(かなり話がそれてしまったが、)とても静かな理由をお話しよう。
それは単純明快、ただ単に他のクラスメートは全員食堂へと昼食を取りに行ったのである。
ゼファー食堂。
それはこのスカイハイ転生学園の中に存在する大きな食堂。
ほとんどの生徒が食堂で昼食をとるほどの存在だ。
まあ、私は学園に入ってから一度も食堂に行ったことは無い。
どうせ中くらい予想つくし、行ったところでなにかいいことがあるわけでもないし。
とういうのはただのやせ我慢、友達ゼロの私が和気藹々とした食堂に行ったとて、浮きまくりなのはエニグマの首都はスカイハイですよ、というみたいなことなのだ。(つまり何が言いたいかというと、当然だということ)
頭の中の空理空論を一掃すると、私は机の横にかけてあるサブバックから二段弁当を取り出した。
弁当を五分もせずに食べきると、サブバックの中からパンを取り出した。
昨日の放課後、家に帰る道の途中にあるひだまりベーカリーで購入したメロンパンだ。
メロンパンはふっくらとしており、表面にざらざらとした砂糖が散らばっていた。
とりあえずかぶりついた。
飲み込む時に一瞬だけ、喉がいがいがして苦しい。
それはきっとパン屋さんのせいではなく、私の荒んだ心のせいだろう。
と言えども真実は杳として知れない。
あー、今になってから思い出した。松尾芭蕉の蝉の俳句。
 『閑さや 岩にしみ入る 蝉の声』

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雨読@低浮上…?なのか?(プロフ) - まだ四十八話だったのですが、続編の考査編へ移行させていただきます!これからも宜しくお願い致します! (2020年7月26日 16時) (レス) id: 10653b224c (このIDを非表示/違反報告)
雨司@多忙(プロフ) - 更新しました。 (2020年7月10日 13時) (レス) id: 10653b224c (このIDを非表示/違反報告)
雨司@多忙(プロフ) - 更新します。 (2020年7月10日 8時) (レス) id: 10653b224c (このIDを非表示/違反報告)
雨司@元ユリイ(プロフ) - 更新しました。 (2020年6月30日 18時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)
雨司@元ユリイ(プロフ) - お久しぶりです。更新いたします。 (2020年6月30日 17時) (レス) id: 2b687b1169 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スカイハイ転生学園一同 x他9人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/sakyomatsu1/  
作成日時:2020年5月12日 16時

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