検索窓
今日:7 hit、昨日:6 hit、合計:3,611 hit

災藤*髪(1) ページ8

※この話では最初、夢主さん髪型ショートカット設定です。
少し災藤さんの過去も少し捏造してます


ズンズンと部屋に向かい、ノックもなしに恋人の部屋に入る


「…赫坂、いくら君とでノックもなしに入ってくるのは……」
「…んで…」
「…え?」
「なんで!!異動のこと何も言ってくれなかったのですか!」


私は涙を溢れさせながら目の前にいる上司兼恋人である災藤に訴えた。

異動。
そう知らせが届いたのは今日。任務から帰ると佐疫が慌ただしく、私に教えてくれた。

''災藤さんが…今日のピアノのレッスンに教えてくれたんだ…どのくらいの年月かはわからないけど、明日から別のところに行くって…''

彼は私と災藤さんが付き合ってることを知っている。だからすぐに教えてくれたのだろう。
その知らせを聞いて、私は悲しみよりも先に怒りを覚えた。異動なんて、前々から教えてくれるはずだ。
なのに、どうして、前日に。

「佐疫から聞きました。明日旅立つというのに、どうして教えてくれなかったのですか」
「……すまない、どのタイミングで切り出せばよいかわからなくてね」
「そんなの、ただの言い訳です。」

話す機会がなかったという言い訳は通らない。なぜなら私たちは3日に1回はお互いと過ごす時間を作っているからだ。話すタイミングなんて山ほどあった上に、昨日だって2人の時間を過ごしていたのだから。

「………すまない」
「謝ってばかりいないで、説明してください。どうしてはやく言わなかったのですか、そもそも、いつ辞令は出たのですか」
「…辞令が出たのは1ヶ月ほど前だ。確かに言うタイミングはたくさんあった。だが、お前との時間を過ごしていて悲しい時間は作りたくないと思ってね……」
「……」

災藤さんのこの言葉は嘘ではないのだろう。でも

「……でも、ちゃんと言って欲しかったです……そうしたら残りの期間、もっと大切に過ごしていたのに……」
「……A…」
「……期間はどのくらいなのですか」
「肋角からの話によると、だいたい10年と聞いてる…」
「そんなに……」

死のない私たち獄卒にとって、10年なんてほんの少しの期間だ。けれど、恋人のいる私にとって、10年はめちゃくちゃ長い
それもすぐに会えるような場所ではないらしい。

「…さい、とうさん…っ」
「…おいで、A」

私は災藤さんの胸に飛び込む
彼は、飛び込んできた私のことをぎゅうっと強く抱きしめた。

「…Aは寂しいかい?」

災藤*髪(2)→←平腹*夜食(2)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (4 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:獄都事変 , 短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ある人 | 作成日時:2021年1月15日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。