田噛*ハンモック(2) ページ16
夢主さんの過去だけです。飛ばしても読めます
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夢を見た。
いつもと違う服、いつもと違う風景。すぐに夢だとわかった。
私の生前、生きていた頃の場所だ
けれど、覚めようと思っても、どうしたら覚めれるのかわからない。
そもそも、夢を見る前にどこにいたかすらも覚えていない。
懐かしい場所だからだろうか。
けど、ここがどこで、どうして私がハンモックに乗っているのかが思い出せない。
『Aは本当にそこが好きだな。弓を引いてる時より嬉しそうじゃないか?』
貴方は誰?
顔がぐちゃぐちゃで見えない。
『なに言ってるの××。弓を引いてる時が1番幸せよ』
『はは、そうか。さぁ、もう帰るぞ。』
『うん!』
私の意識はあるのに、勝手に言葉が出る。
彼に手を引かれて、帰路につく
さっきまで、感触や温度が全くなかったのに、手だけ温度が表れた。
彼の少し冷たい手を握って、歩く。
信号を渡る時に、白い子猫を見つけた。
車がきている。
危ない。
助けなきゃ。
彼の手を、離してしまった。
彼が、待てと叫んでいる。
けれど、この子を助けないと戻れない気がしてしまったのだ。
…………どこに?
『A!!!!』
弾かれた衝撃と共に私の意識はそこで途切れた。
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作者名:ある人 | 作成日時:2021年1月15日 0時