そして、少年王らは出会った。 (ページ22)

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episode 22 ページ22

次の日、王宮の大広間。

チャグムたちは、ファランギース、アルフリード、ギーヴ、ジャスワントらと新ヨゴ皇国に帰る手段について話し合っていた。アルスラーンも参加したがっていたが、政務があるため泣く泣く諦めた。

「なあ、ものすごく遠いってだけで、何もここはナユグみたいな人外の世界じゃないんだろ？普通に帰りゃいいんじゃないのかい？」

バルサが尋ねる。うんうんと数人が頷いたが、

「やめた方がいいと思いますねえ。」

とユグノが言った。

「どういうことだい？あんた、ヨゴからここまで旅して来たんだろ？なのにどうして『やめた方がいい』なんて…」

首を傾げるアルフリードにユグノが答える。

「理由はいくつかありますよ。

まずひとつ。遠すぎるのです。
絹の国〈セリカ〉に行くよりも遠い。遠いだけならまだいいですが、とある国を通り過ぎてしまうと、海に出るまで立ち寄れるような場所はありません。ですので、海に出るまでと出てから、それだけの食糧その他荷物を運び続けなければなりません。それが出来たとしても、上陸した先は “未踏の地” 。これだけの行程をこの人数でこなすのは、まず不可能でしょう。」

「おいおい、じゃあアンタはどうやって来たんだよ？」

ギーヴが指摘する。

「私は、かつて木霊〈リー〉に愛された唄い人ですから。歌うためなら割となんでもできるのです。それに、今旅が出来ないのには、もうひとつ理由があります。」

「そのもうひとつの理由というのは何だ？」

チャグムが聞く。

「大戦です。」

そのあっさりとしたユグノの言葉に、パルス組が反応した。その反応を見て、ユグノがひらひらと手を振る。

「ご安心ください。絹の国〈セリカ〉よりもさらに向こう側の話です、パルス王国に戦火が及ぶことはないですよ。
ですが、戦をしている国々はどこも厳戒態勢らしく、入国しようとすれば牢に入れられたり、下手すれば殺されるとか。避けて通ることは出来ないので通らなければなりませんが、恐らく…無理でしょう。」

チャグムとシュガは頭を抱えた。

八方塞がりだ。