05*別れを惜しむ ページ6
「ありがとな、追加したらすぐメッセージ送るから待っててくださいよ」
「うん!待ってる。
折角仲良くなれたのにもう帰っちゃうんだよね…」
「あのさ、」
「なーに?」
「昨日の夜においかー君達とももっと仲良くなれたし、変な意味じゃなくて今度はAちゃんもこっち泊まりで遊びに来なよ。おいかー君と一緒にさ。」
徹の事を呼ぶイントネーションが独特だ…。
さっきまで散々先輩を煽っていた人が、私相手に少し緊張している。
これはもしかして、いや、もしかしてじゃなくても可愛い私に気があるのかもしれない。
黒尾君も私の外見だけで声掛けて来てるのかな。
少し凪いだ心と、それとは裏腹に昨日すでに心許した自分は
「行く!」と彼を見上げた。
「てっちゃん?」
「俺?」
「私、気に入った人にちゃん付けしたくなっちゃう。
さっき徹はクロちんって言ってたけど…私はてっちゃんって呼んで良い?」
「Aちゃんの好きに呼んでやって下さい」
音駒高校のみなさんが身の回りの片付けをし、次の合宿地に向かう為お別れになる。
てっちゃんとも、やっくんや海君とももっと話したかったけど部活の合宿一泊二日、午後からしか来ない私には短過ぎた。
「クロちーん!またね」
徹も楽しかったのか珍しく屈託の無い笑顔で笑っているから、良い合宿だったのだろう。こちらに手を振る彼等に振り返し別れを惜しんだ。
*
「東京いつ行く?夏休み?」
「部活の休み次第だよねー。俺も東京行きたい」
合宿を終えた徹と共に家に帰り、リビングのソファに体を埋めながら楽しかった時間の振り返り。
震えた携帯には「2日間ありがとう」とてっちゃんから連絡が届いた。
「Aのくせにクロちんにあっという間に懐いたじゃん」
「うん。てっちゃんの雰囲気好き。お兄ちゃんっぽいのもポイント高い」
「絶対お前に気がありそうだけど、どうなの?」
「あ。やっぱりそう思うよね?でも、どうこうなりたいとはあっちも東京の人だし考えてはないでしょ。
それに私今彼氏いるし」
「はぁ?きいてない!」
入学してから告白された3年生。徹よりはイケメンじゃないけどイケメンだからとりあえずOKしてみた。
「クロちんかわいそー。」
「顔だけで好きになられるのはちょっとイヤだけど、てっちゃんとはもっと遊びたい。
…遠距離恋愛は無理だから普通に友達!」
それは徹もわかってるはず。寂しがり屋の構ってな私に遠恋は無理な事。
*.
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モカ(プロフ) - ぽぽさん» コメントありがとうございます🩷全部読んで貰えて嬉しいです!映画見たら再熱して久しぶりに帰ってきました😄もだもだしてる恋愛話になりますが、お付き合い頂けると有り難いです✨ (3月4日 20時) (レス) id: 82c75c460a (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - 文章がおかしくなってしまいすみません🙇♀️陰ながら応援しています!! (3月4日 18時) (レス) id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - コメント失礼します。モカ様のHQの作品に魅了されて2、3年前にすべて読破しまして、見覚えあるタイトルに惹かれて拝見したらモカ様の作品でとても驚きました ; ; 今作も大好きです😽💖 (3月4日 18時) (レス) id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モカ | 作成日時:2024年2月28日 10時