36*境界線 ページ37
黒尾side
Aと木兎がわちゃわちゃしてて、あそこはすぐに仲良くなるんだろうなぁと思ってたが案の定だ。
「失礼な事言ってもいいですか?」
「なにかな、あかーし君?」
「Aさんって実在したんですね。黒尾さんがずっと片思いで地方の人で、写真も可愛かったので黒尾さんの妄想かなと存在自体疑ってました。すみません。」
「悲しくなるので、謝らないでくれません?」
梟谷学園グループで練習試合や合宿は頻繁にあり、寝食を共にしたらそりゃ仲良くもなる。年頃の男の子だし恋バナだってする。
女の子を紹介されそうになることもあったが「好きな子がいる」と言い続け、写真も見せてたら「地方のAチャン」と定着した訳で。
「写真よりもずっと可愛い人ですね。腕まで組んで付き合えたんですか?」
「グイグイ来るね〜」
「合宿の度に話し聞かされてたので、興味はあります」
「残念ながら付き合っては貰えないんですよ。」
木兎と楽しそうに話す横顔も、揺れる癖のある茶色の髪も、少し低めの声も。捕まえたと思っても気付けば指の間をすり抜けて行く。
去年の今頃は両想いじゃね?とか思った。実際そうだったと思う。が、結局「好き」と言ってもわらって「ありがと♡」としか返されない。
遠恋が無理だとしても、俺は友達としてしかもう見られていないんだろうな。
夜久や海、研磨とも仲良いが東京に来たときは俺を頼ってくれる事、寧ろ手も繋ぐし甘えられてる事は自分の特権で。
夜久は「利用されてるだけだろ」なんて笑うが、違う。と、信じたい。
「てっちゃん〜あっちに友達居たからちょっと声かけて来て良い?」
「迷子なるなよ?」
「大丈夫!ちょっと行ってくるね。
…英太君〜!春高観に来たよ」
小走りで紫軍団、白鳥沢の…すっげぇイケメンじゃね?!何あの男前なイケメン?!おいかー君は爽やかなイケメンだけど、英太君は男前イケメン。イケメンのゲシュタルト崩壊しかけたわ。
「良いんですか?格好良い人の方に行ってしまいましたけど」
「俺もウシワカに声かけて来ていーい?」
「地元の親友らしい。
…羨ましいよなぁ。地元が一緒ってだけで同じ土俵に立てる。俺なんてそこにすら立たせてもらえないってのに。」
遠恋を理由に何度も断られてきた。
あっちも会った際のお約束みたいになってきてる。
腕を組まれてもよくおいかー君にやるのと一緒。男に甘えるのも日常茶飯事なのだろう。
脈も進歩も発展もない。
報われない。
181人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
モカ(プロフ) - ぽぽさん» コメントありがとうございます🩷全部読んで貰えて嬉しいです!映画見たら再熱して久しぶりに帰ってきました😄もだもだしてる恋愛話になりますが、お付き合い頂けると有り難いです✨ (3月4日 20時) (レス) id: 82c75c460a (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - 文章がおかしくなってしまいすみません🙇♀️陰ながら応援しています!! (3月4日 18時) (レス) id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - コメント失礼します。モカ様のHQの作品に魅了されて2、3年前にすべて読破しまして、見覚えあるタイトルに惹かれて拝見したらモカ様の作品でとても驚きました ; ; 今作も大好きです😽💖 (3月4日 18時) (レス) id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:モカ | 作成日時:2024年2月28日 10時