黒尾さんと可愛い方の及川さん♡

34*師匠とピコピコ ページ35

｢な〜、そろそろ付き合わない？｣
｢私、遠距離無理。会いたいときに会えないの寂しいじゃん｣
｢今回もそう言われてる思ってましたよ。｣

分かってましたよ、なんて笑うてっちゃんは何度目かな。
今でも苦しくなる私とあちらからの好きだと言うのがネタになってたりしてるのかな…？って思ったり、それでも会えば嬉しそうに笑い手を差し出されるから胸がキュンとなる。


２年生になり、部活で忙しかった夏を越え、秋の三連休にひょっこりと東京に遊びに来ていた。
会えない時間は長いけど、日常的に連絡を取り合っている。
電話でも嬉しいことを言ってくれるから、好きな気持ちも薄れず、いっそ嫌いになれたら良いのにと嫌な所を探したくらい。


彼氏は何人か変わった。
最近はちゃんと見極めつつなので、多少長く付き合いは続くも他校生が多いから会わないだけじゃんと徹に言われてる…


｢A、なんか大人っぽくなった｣
｢本当？うれしー！胸もね大きくなってるよ！｣
｢そこは見てないし、聞いてない｣

近所の公園でパスし合う徹とてっちゃんを尻目にゲームをする研磨が隣りに座っててくれる。
音駒に入学し、金髪になっちゃってたから治安悪い学校なの?!と思った。

｢クロ、パリピ野郎だけど良い人だよ｣

｢知ってるー。面倒見も良いし、気も利くしイイ男だよね｣

｢…浮気とかの心配は無いと思う。Aの事、ずっと気に掛けてる…しつこいしうざいぐらいに…｣

ぐぬぬみたいな顔してるー。
もしかして研磨に私の話とかしてくれてたのかな？
ふふと笑うと嫌そうな顔するからやっぱり笑っちゃう。

｢私は私が一番可愛いから、好かれてても側に居てくれないと駄目なの。
てっちゃんにナイショね。てっちゃんより私を好きになってくれたり、私も好きになれないかなぁって色んな人と付き合うけどまだ誰もてっちゃんに勝てない。｣

｢……諦めたら？抗うの。｣

｢……｣

無言になる私に今度は研磨がふふと笑う番。
会わない間も色々考えたよ？
自分の進路とか、あちらも東京の大学に進学希望だろうし。
高校があと１年半。大学が４年。その先の就職は…

｢Aって何も考えて無いように見えて、結構考えてるんだね。｣
｢…ちょっとバカにしてた？｣
｢ちょっと。｣
｢もう！｣
｢ふふ、ごめん。思ったより真剣に考えてて、安心した。｣

少し先で徹との対人パスはお互いムキになってバカスカ打ち合ってる…
大人っぽいのに、時々見える無邪気な姿とか…ずるいし。

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