25*宣戦布告 ページ26
黒尾side
｢…もしかして別れたの？｣
真ん丸の目が俺を見上げる。
風呂上がりの火照った顔と、湿り気のある長い髪。
彼女がいる事、恋愛の話をした記憶はない。よくAからは聞かされていたが。
｢大将辺りからなんか、聞いた？｣
｢大将君？そもそも話させてくれなかったじゃん？
んー、別れてるなら良いのかな？東京から帰る日。てっちゃんの彼女に声掛けられて。黒髪の女の子｣
黒髪の…あの時付き合っていた子で間違い無いだろう。
A達が来てた時も俺の家の前に来たり、電話やメールで[その女の子誰？]と何回か聞かれていた。
朝走りに言ってた時か…あの日、Aが妙に静かで、寂しいからかなんて思っていたが、そうか…。
｢あの時は付き合ってたけど、別れたんだ。
ごめんな、まさかAに声掛けてるとは思わなかった。｣
｢…私のせいで、別れた…？
良い子では無さそうだったけど、てっちゃんの事大好きなのは伝わったから…｣
良い子ではなさそう？少し思い込みと愛が重かったけど、悪い子では無かった。毎日家に来られるのは少し困惑していた｡
俺の居ない間にAと接触したのだろう。
｢Aって見掛けによらず律儀なんだな｣
｢な、なによ。急に。｣
｢いや、人の男とか気にしなそうじゃん？｣
じとっとした目が俺を見てて、少し笑ってしまった。
わがまま言うし、甘えられる奴には甘えるし、素直なのはもうわかってる。
もしかしたら連絡頻度が減ったのも気を使っていたのかもしれない。
｢わりぃわりぃ。まぁ、そうだな。別れた理由ではありますね、Aチャンが。｣
｢えー…、そうか。そうだよね。ケンカなっちゃった？彼女に悪い事しちゃったじゃん…｣
ごめんと、手を合わせて眉を下げる顔も可愛いとか思ってしまう。Aは初めて会った時からずっと可愛いんだ。
わざわざ遠く寒い宮城まで来たのも、勿論おいかー君たちとも遊びたかった。それよりもAの顔が見てぇなって思っちまったから。
｢ケンカでは無いから心配すんな。
俺がAの事が気になって仕方なくなっちまったんだ。｣
頭に手を乗せると、また目を開いて、視線を彷徨わせたあと、もう一度俺を見た。
｢可愛くてごめん…あと、彼氏いるからごめん…｣
｢ホントにね、Aチャンが可愛いのが悪いんですよ。
まぁ、誤解も解けたようなのでこれからはガンガン攻めさせて頂きますよ。長期戦上等なんで｣
も〜と困る顔さえ可愛いんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 181人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
モカ(プロフ) - ぽぽさん» コメントありがとうございます🩷全部読んで貰えて嬉しいです！映画見たら再熱して久しぶりに帰ってきました😄もだもだしてる恋愛話になりますが、お付き合い頂けると有り難いです✨ (3月4日 20時) (
レス) id: 82c75c460a (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - 文章がおかしくなってしまいすみません🙇♀️陰ながら応援しています！！ (3月4日 18時) (レス) id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - コメント失礼します。モカ様のHQの作品に魅了されて2、3年前にすべて読破しまして、見覚えあるタイトルに惹かれて拝見したらモカ様の作品でとても驚きました ; ; 今作も大好きです😽💖 (3月4日 18時) (レス) id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：モカ
| 作成日時：2024年2月28日 10時
