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21*最後の最後にコレですよ。 ページ22

3日目の朝もロードワークに行った二人を見送り、一宿一飯の恩義では無いけれど家の前を掃き掃除させてもらっている。
今日も暑くなりそうだと見上げた青空に目を細める。



「あの…」

聞こえた声に視線を向けると、髪の長い女の子の姿。
てっちゃんの友達かなと思い「おはようございます。てっちゃんなら外に走りに行ってて留守ですよ?」と伝えた。

その声は芯を持ち「あなたは鉄朗君の何ですか?」と距離を詰めてくる。

「友達、だよ?」

「また友達って…友達が2日も泊まって腕組んで家から出て来ないでしょ」

怒ってる。静かに、怒ってる。
修羅場とかに巻き込まれるのはごめんだけど…えー、徹達早く帰って来ないかな。


「宮城県から遊びに来てて弟と一緒泊まらせてもらってるの。
てっちゃんの友達なら本人に確認してみてよ」

穏便に、穏便に…語尾を優しめにしてるけど、睨まれてる…
女の嫉妬は女に向くっていうし。

「友達じゃない。彼女です。私が、鉄朗の。」

「…彼女?」

「そうです」とグワッと言われるから頭の整理が追い付かない。聞いてない、黒尾鉄朗に彼女いるって。
メールでも電話でも行ってない情報に固まってしまう。彼女居る人が可愛い私を泊めるなよ…

この2日てっちゃんと1番一緒にいて、楽しかった。
甘やかしてくれたり、手繋いでみたり、花火見たり。

胸に落ちるモヤッとした息苦しさに言葉が詰まる。


「可愛くないくせに鉄朗に手を出さないで!」

それだけ言い、ぷいっと背中を向けて帰っていった。
カワイクナイ…可愛くないくせにって私のこと?はぁ?
私のが可愛かったじゃん。てっちゃん趣味悪いんじゃないの!?
…これはよくない。人の美醜にどうこう言うのはだめ。てっちゃんごめん。


「A、掃除?俺もなんか手伝いたい。」
「何もしなくてよかったのに。ありがとな、A」

「てっちゃん!私って可愛いよね?!」

「え、急にどした?可愛いですよ」

髪型がいつもの通りに戻ってるてっちゃんをガン見。
勝手にショックを受ける自分がいた。


「なんかあったの?生理?」

荷物をキャリーに詰めてると徹が客間に来て眼の前に座るもてっちゃんがいる家でこの話は出来ないと思い、ただ徹に抱き着いた。

「なーに、嫌な夢でも見た?」
「夢なら良かった。」


その後黒尾家の方々にお礼を言い、東京駅に集合して新幹線に乗り込んだ。



「A、また会いたいな」
「…ん、またね」

普通に出来なくて、別れが惜しめなかった。

22*乙女心と秋のなんちゃら→←20*そろそろ終わりの時間



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モカ(プロフ) - ぽぽさん» コメントありがとうございます🩷全部読んで貰えて嬉しいです!映画見たら再熱して久しぶりに帰ってきました😄もだもだしてる恋愛話になりますが、お付き合い頂けると有り難いです✨ (3月4日 20時) (レス) id: 82c75c460a (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - 文章がおかしくなってしまいすみません🙇‍♀️陰ながら応援しています!! (3月4日 18時) (レス) id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - コメント失礼します。モカ様のHQの作品に魅了されて2、3年前にすべて読破しまして、見覚えあるタイトルに惹かれて拝見したらモカ様の作品でとても驚きました ; ; 今作も大好きです😽💖 (3月4日 18時) (レス) id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:モカ | 作成日時:2024年2月28日 10時

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