20*そろそろ終わりの時間 ページ21
大将君とも話してみたかったけど、謎のてっちゃんブロックでそれは叶わず。
今夜も皆で銭湯に行って、汗を流した。
明日は宮城に帰る日。バレーしかしてないけど、楽しい時間はあっという間。
マッサージチェアに揺さぶられながら今夜も長風呂男子を待
っていると、名前を呼ぶゆったりとした声に振り返る。
「…昨日も思ったけど髪下ろしてるの格好いいよ?」
「寝て起きたらいつもの僕にリセットされるんですよ。」
「リセットて。」
長めの前髪が目に掛かる彼は、いずそうに髪を指で流すから小さく笑う。どんな寝方したらあの髪型になるんだろ。
「ちょっと外出ねぇ?」
男子風呂の方から聞こえる笑い声にまだ掛かりそうだし、てっちゃんに頷き、銭湯の下駄を借りた。
人通りが昨日より多く感じ、手を繋ごうとするも何となく憚られ服の裾をちょっと掴んだ。
「…どこか行くの?」
「もうすぐで花火上がんのよ今日。ここからでも見えるから他の奴等上がるまでさ」
だから浴衣姿の子たちもいたのか。
銭湯前のベンチに座るよう促され、手渡されたラムネ瓶に、てっちゃんも自分の物を当ててカチンと音が鳴る。
聞こえた破裂音と、夜空に広がる上半分しか見えない花火。
「あー…あんま見えねぇな」
「ふふ、良いじゃん!キレイ!花火見ると夏休みーって感じすんね。」
「…ありがとな。
Aにさ話しあんだけど――――」
「え?」
言い掛けられた声は花火に掻き消され聞き取ることは出来なかった。聞き返すも「大した事じゃないんで」と嘘っぽく笑うから逆に気になる。聞きたくても銭湯から出てきた徹や岩ちゃんたちが花火にテンション上がって聞ける雰囲気はなくなっていて。
今朝からほんのちょっと、ちょびっとだけ静かなてっちゃんが気になる。
電話のあとから、かな。
やはり女の子からなのかな…と憶測した所で教えては貰えない。
駅までの道のりをみんなの後ろから離れないように歩いてると、隣にやっくんが並ぶ。
「なんか静かじゃね。流石に疲れたろ?」
「流石にね。明日で帰るのも寂しいの」
「バレーはしたけどAとは話足りねぇしなぁ。
荷物は明日黒尾に持ってこさせて、家泊まる?岩泉も居るぜ」
岩ちゃん居るなら安心安全だけど…。
徹が許してくれなそう。
勿論行きたくないではない。
「お誘いありがと。お世話になったてっちゃんのご家族に挨拶したいから今回はやめとく。誘ってくれてありがとね」
「そうか。挨拶は大事だよな!」
21*最後の最後にコレですよ。→←19*新しい友達?友…達、なのかな?
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モカ(プロフ) - ぽぽさん» コメントありがとうございます🩷全部読んで貰えて嬉しいです!映画見たら再熱して久しぶりに帰ってきました😄もだもだしてる恋愛話になりますが、お付き合い頂けると有り難いです✨ (3月4日 20時) (レス) id: 82c75c460a (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - 文章がおかしくなってしまいすみません🙇♀️陰ながら応援しています!! (3月4日 18時) (レス) id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - コメント失礼します。モカ様のHQの作品に魅了されて2、3年前にすべて読破しまして、見覚えあるタイトルに惹かれて拝見したらモカ様の作品でとても驚きました ; ; 今作も大好きです😽💖 (3月4日 18時) (レス) id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モカ | 作成日時:2024年2月28日 10時