浮気されてるので浮気しました。[HQ]

39*女の子はしたたかに。 ページ40

土曜日曜と、行われたバレーのインハイ予選は今日が決勝戦らしく、矢巾は公休で教室には居ない。


及川さんから勝った報告がその都度来て、強豪と言われるだけあって本当に強かったんだなぁと再認識。


昼頃にバレー部が負けたってクラスの男子が話しているのを耳にし、負けちゃったのかと窓の外を眺めた。
連絡は来ない。悔しいだろうから私からも何もしない。



｢ねぇ、あんたいつ及川と別れるの？｣


食堂で友達とランチを楽しんでいると、いつの日か及川さんといる所を見た事のある3年生の姿。

茶色くくるくるときれいに巻かれた髪。
動く度に香るのは及川さんからたまにする甘い香水の匂い。

改めて近くで見るとお化粧をしてる事も相まって可愛いな…って思う先輩。



｢なにガン付けてんの？｣


｢…あ、ごめんなさい。先輩が可愛くて…見てしまいました。ごめんなさい…｣


更にじっと見つめると顔を赤らめるからかわいい…なんて思ってしまうのは失礼ですね。



｢…少しキレイな顔してるからっていつまでも及川の優しさに甘えてんじゃないよ？｣


｢やっぱり及川さん優しいですよね。｣



視界が少しボヤケていく。
それを察したのか先輩は｢泣かないでよ｣なんて背中を擦ってくれた。

友達も頭を撫でてくれたりと、みんな優しい。



…目をずっと開いてれば乾いて、次に閉じたとき涙目になるよね。
｢先に泣いた方の勝ち」ってお泊まりの時にご教授頂いたのが早速役に立った。




放課後になりいつも通り部活をして、つい癖で残ってしまうも今日は及川さんが学校に来ていない事に気付き急いで帰り支度をした。




｢だーれだ。｣



突然の暗転と耳元で囁かれた声。

いや、今日は学校に来ていないはず。
それに…

色々考えるも、部活で集中力を使い過ぎた頭で処理が出来ずにいた。



｢ねぇ、A…｣



。

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