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「現場の状況把握に何分も掛けた所で意味はない。焔ビトの行動1つで全てが変わる。1秒でも早く対象するのが賢明な判断だというのに行動が遅すぎる」
炎に焼かれる痛みに耐える元人間は大人しい奴もいれば自我を失い暴れ回る奴もいる。焔ビトの鎮魂に時間を掛けないという暗黙のルールはその為にあるのだ。
「君は何者だ」
桜備の問いに彼女は不敵に笑い敬礼を見せた。防火服を着用していない少女が火災現場に乱入し焔ビトを鎮魂するという異例の自体。並大抵の人間が出来るようなことではない。
「本日から第8特殊消防官隊に配属されました第二世代消防官、神楽坂Aです」
まさかの新人隊員という事実に第二世代一等消防官、茉希尾瀬とシスターであるアイリスの驚きの声が響き渡る。正式な配属前にまさか問題を起こすとは誰も思うまい。焔ビトの鎮魂は配属先で大隊長や中隊長に挨拶を終え正式に配属が認められた者に限り出来ることなのだ。
「配属前に何やらかしてんだよ」
「第三世代の能力がある癖に宝の持ち腐れか？呆れた奴だな」
「訓練校で習った特殊消防官隊の規則を忘れたのか！？」
「規則は背くために、ルールは破るためにある」
消防官という地方公務員とは思えない暴論だ。確かに人命救助や焔ビトを鎮魂するのに堅苦しい規則を守り続けるよりも時に常識を逸脱した行動が必要な場合もある。
だが、それは数々の現場経験を積み重ねた者が許可されることだ。新人隊員、それも正式な配属前の者が規則を破り仕事をするなど前代未聞なのである。
「お前までアーサーみたくバカになるなよ」
「クソ騎士と一緒にするな。悪魔」
「悪魔じゃない、ヒーローだ！訓練校の時にも話したろ」
「公共の場で争うな。まずは帰還する！君も乗りなさい」
桜備の最もな指摘を受けた後、速やかに
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作者名：依鈴 | 作成日時：2021年10月5日 10時
