第二話 ページ3
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目覚めたのは不思議な館の前だった。
そこは見たことのない場所で、目覚めたらてっきりあの夢に出て来るあの場所にいるのかと思っていたけれど全くの予想外れで困惑した。ここは何処だろうか、小狼くんは元気かな、そんな訳ないよね、今頃必死になって私を探してる。机に入れておいた手紙は見てくれただろうか、などと思っていたら足下に何かが落ちているのに気がついた。
「カードの本?」
何故ここに、持っていたカードに付いてきたのだろうか。しかもその本にはいつもなら無い筈の絵、封印の獣ケルベロスとユエさんの月が描かれている。ということはここにはケロちゃんとユエさんが眠っていて一緒にこちらへ来てしまったのか、まあ今のカードの主は私なのだからありえないことは無い。
状況を理解しようと思考に浸っていると不意に声をかけられた。
「貴方がクロウリードの後継者ね?」
ぱっと声がする方を見ると長い漆黒の髪を持つ女性が二人の少女と一人の青年を従えさせるように立っていた。この人が私をここへ呼び出したのだろうか、それにしてもあの青年、すこしクロウさんの面影があるような気がしてならなかった。肯定を示すようにコクリと頷くと悲しそうな顔をしてごめんなさい、とその人が呟いた。
「お願いがあるの」
私に出来る事なら、そう言うとその人は目を細めて知っていたのね、と言った。そうしたら少し驚いていたけど私がクロウリードの後継者と分かっているから納得して目を伏せた。
「じゃあ、今から何をするのかも」
「はい、分かっています。」
目的は分からないけど、そう言うとその人は口を閉ざした。言えない理由があるのだろう。でもそれを無理矢理聞くようなことはしない。この人にはこの人の考えがあるのだろう。この人は悪い人ではない。悪人には悪い人の雰囲気というか、そんな何かがあるのだ。そんな何かを感じ取れるのは私の中の膨大な魔力のおかげというのもあるだろう。悪い人ではないから信頼はないけど信用は出来る。
「これから貴方には沢山の困難が立ち向かう、夜に声を抑えて泣くこともあると思う……。
でも、これだけは覚えておいて、
運命を、恨んではだめ
運命というのは時に残酷で、時に悲しい事をまねく。
でもそれもすべて必然、あるべくして、なった事なのだから、決して恨んでは駄目よ、貴方はとても」
愛されているのだから。
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HARU(プロフ) - 音宮あおいさん» コメント有難うございます!最近忙しくてお話のほうも不完全燃焼が多くなって手抜き感がじわじわと広がっていくと思いますが、これからもよろしくお願いします(*´ω`*) (2015年10月4日 17時) (レス) id: 1ddf4d0ed1 (このIDを非表示/違反報告)
HARU(プロフ) - リンさん» はい頑張ります!!第二部のほうもちびちびやっていきますので、これからもよろしくお願いします(*´ω`*) (2015年10月4日 17時) (レス) id: 1ddf4d0ed1 (このIDを非表示/違反報告)
音宮あおい(プロフ) - はじめまして。さくらちゃんの本音がリアル過ぎて泣けてくるし、そんなさくらちゃんの心の支えになってくれてるケロちゃんが可愛すぎます!更新頑張ってください! (2015年10月1日 19時) (レス) id: e83c49882d (このIDを非表示/違反報告)
リン(プロフ) - ずっと更新待ってました!続きがきになります!更新頑張って下さい!楽しみにしてます(*´ω`*) (2015年9月24日 23時) (レス) id: 3f318786d5 (このIDを非表示/違反報告)
HARU(プロフ) - 刹那さん» 私の小説を面白いと言ってくださる方がいるなんて…!歓喜極まります(*´ω`*)読者様のおかげで第一部完結することができました!レス遅くなってすいませんです…。 (2015年9月20日 20時) (レス) id: 1ddf4d0ed1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HARU | 作者ホームページ:http://artemis
作成日時:2014年4月4日 3時