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和side
スキー旅行前日の日記…
どきどき、わくわく…
皆との旅行を楽しみにして寝れないって
書いてある…
ちょっとは、スキーも滑れたら
きっと楽しいだろうな〜
なんて…期待に胸を踊らせて
そのページを締めくくって……
それから先のページは
真っ白……
事故にあって書けなかったから…
幸せな時間って…長くは続かないんだね
それからは辛い辛い日々
智君より先に動けるようになった俺
でも、検査や治療
リハビリなんかで、なかなか智君の所に行けなくて
智君の事を心配しながらもリハビリしてたな…
和「俺なんか…庇ったせいで……」
あの時の記憶が蘇る
ペラペラ……
○月○日
智君が目を覚ました
でも…
俺と潤君の事…忘れてた…
逆行性健忘症……
俺達の事だけ…
すっぽり忘れてる…
まー君が『おーちゃん！和君は、おーちゃんの恋人でしょ……』って言ってくれた…けど
『いやいや…何気持ち悪い事言ってんの』って…
『男と付き合うとか、あり得ない…』
『冗談キツいよ』って…笑う智君…
目の前が真っ暗になった
俺これからどうしたらいい？
愕然としてる俺と潤君に
翔君とまー君が、いろいろ話しかけてくれてたけど
全然耳に入って来なくて
智君のお母さんの
『日常生活に支障がないなら、戻らなくてもいい』
俺達の事…そんなもんだったの？
智君のなかで…居ても居なくてもいい存在だったの？
一緒に泣いたり笑ったり
あの時間は……何だったの？
悲しくて…悲しくて…泣いてる俺の横で
潤君が壁を拳で殴ってて
うっすら血が滲む潤君の拳を握る
和『…潤君……血が出てる……もう…自分を傷付けるのはやめて……ねっ？』って言えば
ギュ〜って俺を抱き締めてくれて
和『…潤君……苦しい……苦しい……ょ…』
潤君にしがみついて泣いたらさ
潤『…苦しいなら…もう会うな』って強く抱き締めてくれた
○月△日
学校で会う度
貼り替えられてる絆創膏…
俺の為に傷ついた潤君の拳
今日も大きな絆創膏…
ごめんね潤君……痛かったでしょ？
俺の為に……ありがとう…
潤君や、錦、横に心配かけたくなくて
笑顔を張り付け毎日過ごしていたな〜
あの頃の俺は
いろいろ諦めていたような気がする
俺が今、智君にしてあげられること…
これ以上皆に心配かけずにすむ方法…
…違う……俺が……どうしたらこの苦しみから逃れられるのか…
智君との事をなかった事にすれば
皆…楽になれるはず…
揺らぐ気持ち
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作者名：arashiwistomo | 作成日時：2018年11月8日 14時
