エピソード56(ブルー)〜悲しい雨〜 ページ30
和side
潤君に手を引かれ家に帰る
病院の廊下で、ちょっと泣いちゃったから
目が赤い
和「潤君……ありがとう…明日…学校でね……」
潤「…和……」
和「大丈夫……大丈夫だから…」
小さく笑って見せて家の中に入る
俺…ちゃんと…笑えてたかな？
和母「お帰り！智君どうだった？お礼に行きたいから…いついけばいいか聞いておいてほしいんだけど(*´ω｀*)」ってお母さんが言う
和「うん……そうだね…でもリハビリとかもあるから…もう少し先でいいんじゃない……」
和母「そうね……先ずは回復が先だわね…
(*´∀｀)」
嬉しそうなお母さんを見たら
智君の記憶喪失のこと……言えなかった…
いつもと変わらず夕食を食べ、お風呂に入り
自分の部屋に行く
ベッドに潜り、今日１日の事を振り返る
智君が目覚めたって聞いて
凄く嬉しくて
潤君と二人
授業なんて上の空で
学校が終わるまでソワソワしてた
学校がやっと終わって病院で智君に会ったら
智君の記憶が…
俺と潤君の事だけ抜け落ちてるって
凄くショックで
愕然とした…
何で？……
どうして俺達の事だけ記憶がないの？
潤君の腕の中で泣く事しかできなくて…
ｺﾞｿｺﾞｿ……
掛け布団をギュッて自分の体に巻き付ける
前に見た雑誌で、記憶喪失の記事を見た事があった
ストレスと感じてること
自分に必要ないと感じた出来事
自分が本当は嫌だと感じてること
事故などで、頭に強い衝撃を受けた時…
知らず知らずのうちに、頭で強く消したいって願っていた事が
次に目を覚ました時…消えている事があるって
それが記憶喪失…
どの部分が抜け落ちたか、症状によっていくつかの記憶障害に分類されるって…
それってさ
智君にとって
俺と潤君は必要ない存在って事？
潤君に張り合って
本当は好きでもない俺と…付き合ってたって事？
記憶から、消したいくらいストレスを感じてたって事……？
いろいろ考えてると
ネガティブな事ばかりが頭の中を支配する…
悲しくて、苦しくて、切なくて……
ポロポロ…ポロポロ
零れる涙……
枕に顔を埋め声を殺して泣いた
目を覚ましたら
凄い顔……
涙でグショグショ…
瞼は腫れて
目は充血……
和「酷い顔だね……お母さんに見られたら大変……」
静かに下に降りて直ぐに洗面所に行く
顔をバシャバシャと洗う
でもさ…充血と瞼の腫れは引かなくて
和母「和君おはよー…って…どうしたのそ目？！(; ﾟ ﾛﾟ)」
智君の事……正直に話す
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作者名：arashiwistomo | 作成日時：2018年9月22日 14時
