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次に彼が目を覚ましたのはお昼過ぎ。
本当はバイトがあった俺だけど、ほぼ初対面の子、しかも熱のある彼を一人にして出ていくわけにはいかず休みにしてもらった。
有「体どう?まだ熱ありそうだね」
山「…もう、大丈夫です」
有「汗すごかったから脱水症状出てるでしょ?これ飲んで」
スポドリのキャップを緩めてから彼に渡すとすんなりと飲んでくれた。
やっぱり喉乾いてたんだな。
山「ありがとう、ございます」
有「シャツしわくちゃになっちゃったね」
ボタンだけ数個はずしてそのまま寝かせたから仕方無い。
お母さんに洗濯とアイロンを頼まないとだな。
あれ?袖に泥みたいなのがついてる。
不用意に手を伸ばしてしまい後悔する。
山「っ、…!」
有「あ、ごめん!」
そりゃそうだよな。俺、変態じゃん。
体をビクつかせて拒絶したのは恐怖を抱えていたからではなく、配慮の足りない俺への気持ち悪さからだと思った。
けど、目を逸らした先、開けたままのシャツの下に何かを見た。
有「…君、ちょっとごめんね」
山「ぇっ?…!!!」
シャツを捲ってみて言葉を失う。
彼のお腹には幾つもの傷と赤黒い痣が残っていた。
時間が経っていそうなものと、比較的新しいもの。
有「…っ…」
山「離してっっ!!!」
彼は目に涙を溜めて俺の手を振り払うと壁に掛けてあったブレザーを羽織って
山「ご迷惑お掛けしました…失礼します…」
そう言って出ていった。
俺はどんな行動をとったら正解なのか、彼のいなくなったベッドの前に立ち尽くしたまま動けなかった。
有「あれって…そう、だよな…」
転んで出来たなんて言い訳は通用しない。
誰かにやられたとしか言いようがない。
そして、彼の言動から察するに、その相手は……
有「…そういうことかよ…」
面倒なことには巻き込まれたくない。
気付いたのに放っておくのか?
俺に出来ることなんてたかが知れてる。
忘れることが一番なのかも…
有「あ゛ー、もう!」
無理だろそんなこと!
とりあえず、警察…彼を警察に連れていくんだ。
部屋を飛び出し公園方面へ彼を探して走った。
学校をサボってる高校生とか後ろ姿が似てる人を覗き込んでは不審な顔をされた。
有「はあはあ…いねぇっ…」
けど、彼を見つけることは出来ず、いつものブランコにも彼の姿はなかった。
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夢莉(プロフ) - すらささん» すらささん、初めまして!お返事遅れましてすみません。お兄ちゃんっぽいカッコいいところが書きたかったんです!伝わってると嬉しいです(^^)ありがとうございます! (2019年7月14日 19時) (レス) id: 5bdce97967 (このIDを非表示/違反報告)
すらさ - 大ちゃんヤバかっこいい! 作者さん天才ですね!大好きです! (2019年7月3日 19時) (レス) id: 83dcd98d4d (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - JUMPLOVEさん、お越しいただきありがとうございます!好みのお話で良かったです(^^)頑張ります〜! (2019年7月2日 17時) (レス) id: 5bdce97967 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - この手のお話がとっても好みで、ありやまなのがほんっとにたまりません!!!応援してますので、更新頑張ってください!!! (2019年7月1日 1時) (レス) id: f4e667ae46 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - くるすけさん» くるすけさん、初めまして(^^)ありがとうございます!頑張らせていただきます!! (2019年5月18日 21時) (レス) id: 5bdce97967 (このIDを非表示/違反報告)
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