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何もバレてやしないけど自宅の涼介が気になって荷物を抱えて走った。
アパートの前で近くにあの女がいないことを確認して素早く駆け上がりきっちりと鍵を締めた。
「涼介っ…?!」
「おかえりなさい」
今朝見た涼介と何も変わらない涼介がそこにいて安心した。
でもここにいたらバレるのも時間の問題。
「…どうかしたの?」
「涼介、逃げよう」
「え?」
聞きたくもないし考えたくもないだろう。俺もそうだ。
黙っておけるならそうしたい。
万が一ここがバレて俺がいないときに訪ねてきたら…危ないから話すしかない。
「涼介を探している人に会った。
茶髪のロン毛で派手な格好の女」
特徴が頭の中で再生されたんだ。
みるみるうちに顔が曇っていく。
「それ…、お、かあ…さん…」
「近くまで来てる。
ここにいたら見つかるかもしれない」
だから、一緒に逃げよう。
夜を待って、何処でもいいから、俺らのことを誰も知らない場所へ。
「僕、だいちゃんに出会ってから、すごく楽しかった。
ずっと続けばいいのにって思ったよ」
「うん。だから、俺と…」
「捕まって、だいちゃんが不幸になるのは嫌だ。
これ以上、迷惑かけられない。
もう、終わりにしよう…?」
「っ…終わりって、」
「元に戻るの。僕らは何も知らない他人」
破滅の道へ一人で進もうとする涼介。
俺は捕まるのが怖いのか?………
行かせちゃ行けないのに、扉は光を吸い込み閉じる。
怖いものなんかない。涼介がいれば。
あの子を守れるならば。
俺は迷ったんじゃない。確かめたんだ。
きっと何度言ったって君は信じてくれない。
何度追いかけたって離れていこうとする。
それならば、
「涼介っ!」
「、…離して…くださぃ…」
零れ落ちるなら何度でも掬おうじゃないか。
そうして信頼関係が作られていくんだろう。
犯罪の下にあろうと俺にとって君はそうなりたいと初めて思う相手だ。
「涼介となら何処までも墜ちる覚悟はできてる。
それが不幸とは限らないし、涼介と出会ってからの毎日は今までの時間の中で一番楽しかった。
____俺は涼介のことが好きなんだ」
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夢莉(プロフ) - すらささん» すらささん、初めまして!お返事遅れましてすみません。お兄ちゃんっぽいカッコいいところが書きたかったんです!伝わってると嬉しいです(^^)ありがとうございます! (2019年7月14日 19時) (レス) id: 5bdce97967 (このIDを非表示/違反報告)
すらさ - 大ちゃんヤバかっこいい! 作者さん天才ですね!大好きです! (2019年7月3日 19時) (レス) id: 83dcd98d4d (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - JUMPLOVEさん、お越しいただきありがとうございます!好みのお話で良かったです(^^)頑張ります〜! (2019年7月2日 17時) (レス) id: 5bdce97967 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - この手のお話がとっても好みで、ありやまなのがほんっとにたまりません!!!応援してますので、更新頑張ってください!!! (2019年7月1日 1時) (レス) id: f4e667ae46 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - くるすけさん» くるすけさん、初めまして(^^)ありがとうございます!頑張らせていただきます!! (2019年5月18日 21時) (レス) id: 5bdce97967 (このIDを非表示/違反報告)
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