ーー時計の針が24時を指す頃ーー TH

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『はぁ…』






あれから1週間の時は流れ、テヒョンさんからの連絡は無いまま。つまり、バイト代を貰わないまま帰ったことを少しばかり後悔し始めた






自分から連絡をしようにも何だか気が引ける。





グルグルと1人で考えてみたら、きっとあの新郎はテヒョンさんのお兄さん。ヒョンって呼んでいたし、立ち上がって声を上げた人はきっとテヒョンさんのお父さんだったのだろう。






ナヨンさん…は、正直よく分からないけど｢欲しくて欲しくてたまらない人｣そう呟いた彼の表情に、幸せになって…っと彼女に言葉を紡いだ時の様子に何となくナヨンさんが大切な人だったんじゃないかなーって。





その大切な人が実の兄と結婚をする。それがどんなに切ないのか。勝手に彼の気持ちを想像して自分まで胸を痛めながら、やっぱりあれからテヒョンさん以外誰も買っていかなかった｢やる気のないコーラ｣を見つめながら品出しの手を動かしていた時。







｢それ、1つ｣







『え、…、て、てひょんさん、』






聞きなれた声と共に後ろから伸びてきた手は、やる気のないコーラを掴んでふわりと微笑んでいた。

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