8 ページ8
．
「テスト頑張ってたじゃん。」
「授業中真面目に聞いてたんですー」
目の前で
タバコの煙がゆらゆらと揺れる
タバコ…先生が吸ってるから許せるけど
実は苦手。
「おめぇって、安田と幼馴染みだっけ？」
「へ？あ、……まぁ…一応、」
突然の質問に動揺する。
なんでいきなり章大の話なんか……
「……ふは。笑 んな動揺すんなよ。笑」
「だって……！」
「今日抱きついてたじゃん。幼馴染みさんと、？」
抱きついてた………？
……！
もしかして…章大が点数良くて喜んでくれた時の…
「あれはっ」
「じょーだんだって。笑
そんなに俺に
付き合ってるって思われたくなかった？笑」
焦った私を見て
くくっ、と笑う。
とっくに、私の気持ちなんか
バレてるんじゃないか、って思う。
そうやって、
いつも見透かした様に私を見る。
全部、分かってるかのように。
「………ずるい。」
「なにが。笑
んじゃ俺行くわ。じゃぁな、」
会話だけ聞いてたら
普通のカップルかもしれない。って
先生と生徒、っていう壁があるだけ。
それだけなのに。
こんなに重たくて。
「…………先生！」
「ん？」
「………す……っ、さよーならっ！」
恋するだけで精一杯。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 160人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゅら
| 作成日時：2016年8月30日 0時
