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「んじゃ、そろそろ行こっかな。」
左手につけてる腕時計を見て
立ち上がる大野先生。
美術部の顧問だもんね。
部活遅れて行くくらいなら、
ここでタバコ吸わなければいいのに。
絶対ないけど、どこかで
私と話せるからかな。なんて期待してしまう。
「んじゃ、また明日」
「さよーならー。」
んだよそれ、って笑う先生の事
狙ってる人多いんだろうな。
………実際多いか。
去っていく後ろ姿を見つめて
胸がきゅーっと苦しくなる。
先生に恋する。って難しすぎる。
……先生って、好きな人いないのかな。
……ていうか、付き合ってる人とかいないのかな。
いるんですか？って簡単に聞けたらいいんだけど
本当に好きな人からしたら
その質問は難しい。
難しいだらけの恋。
でも、そんな難しいのが私の恋だし。
仕方ない。
好きだもん。
「…………帰ろ。」
先生と話した後は
いっつも用事もなく、まっすぐ帰宅。
運動場を1人で歩いてると
一生懸命部活に取り組んでる皆の姿。
がんばってんなぁ……。
部活……やってたけど辞めちゃったからなぁ。
めんどくさくて……。笑
運動場の端の方にある体育館から声が聞こえて
思わず、窓からのぞき込む。
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作者名：ちゅら
| 作成日時：2016年8月30日 0時
