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｢｢おーくーれーるー！！！｣｣
教室に駆け込もうとする2人と‥
｢｢｢うさぎ／うさぎちゃん｣｣｣
教室の扉から顔を出し、声を掛ける3人は同時だった。
｢｢わぁー！！｣｣
｢｢危ないじゃない！急に飛び出したら！｣｣
動きも同じで、声も揃えて同じ文句を言う2人に
呆れるまこと、亜美、人2の3人‥。
｢どうでもいいけど‥。
もうちょっと早く起きられないのかい？2人とも‥｣
｢あー！あぁ！それより先生が来ちゃうー！｣
御もっともな意見を言われる前にとまことの声を遮り、
通り過ぎようとする2人に今度は人2が声を掛ける。
｢心配しなくても、1限目は自習になったよ｣
｢｢え？｣｣
｢先生方、皆緊急会議で職員室なのよ｣
｢｢まさか、、遅刻常習者を罰する相談？｣｣
｢そうじゃなくてね、今日欠席がすごく多いのよ‥。
それも女の子が多いの｣
｢へぇー？今時インフルエンザ？｣
｢じゃあ、学級閉鎖になるのかしら？｣
｢違うって‥｣
自習ということで先程の話をしながら皆でトイレに来ていた。
｢朝起きてから急にやる気が無くなって、
学校に行きたくなくなった、っていう人が
急増してるんですって｣
｢ふーん｣
｢あーそれ、今朝のテレビでやってたわ｣
｢この学校でも流行ってるらしいよ｣
｢美奈子‥。ワイドショー見てる暇があるなら
早く学校に来た方がいいと思うんだけど‥｣
人2の意見に頷く亜美‥。
トイレの扉を開け、何かに気付き立ち止まるまこと。
よそ見をしていたうさぎはまことの背中にぶつかった。
｢まこちゃん、急に止まっちゃー‥｣
｢あの子‥。ちょっと変じゃない？｣
まことが見つめる先には廊下で1人、
コンパクトを見つめて動かない女子生徒。
｢んんー？どれどれ？｣
うさぎはその女子生徒に近付き、声を掛ける。
｢どうしたの？そんなに真剣に鏡見てー、何か面白い？｣
｢…はぁ…｣
｢その鏡、普通の鏡と違うの？ねぇねぇー｣
｢……｣
何も答えない女子生徒にうさぎは挫けず話し続ける。
｢ちょっと見してみさー｣
痺れを切らしたうさぎは声を掛けながら
女子生徒の手から鏡を奪い取り、自分も鏡を覗き見る。
｢うーん、何？別に普通の鏡と変わんないみたいだけどー｣
鏡から何か黒い影が蠢き出そうとしていた。
人2は鏡から邪悪な気配を初めから感じ取っていた。
後で女子生徒の傍を通り過ぎる際に浄化しようと
うさぎの一連の動きを静かに見守っていたが、
うさぎが鏡を手にしたのを見て、慌てて駆け寄る。
｢うさぎ！鏡から手を離して！｣
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作者名：歩 | 作成日時：2023年5月6日 4時
