月と太陽の危機 ページ18
人2がほたるを抱きながら自分の部屋へと歩いていく。
その後ろ姿を3人はずっと見つめていた。
｢人2にも危機が迫ってるんだな‥｣
｢えぇ‥。さっきのシュミレートが本当なら‥｣
｢あの子はいつも笑顔で僕達を照らし続けるばかりで、
辛いことも悲しいことも1人で背負い込んで
僕達を頼ってはくれない‥｣
｢私達があの子を守らないと｣
｢｢あぁ／えぇ｣｣
｢絶対に無くさせない、大切なあの子の笑顔を‥｣
｢よいしょ‥｣
人2は部屋のベットにほたるを寝かせ、布団を掛ける。
｢ごめんね‥ほたる。
怖い思いをさせて‥辛い宿命ばかりあなたに背負わせて‥。
私はあなたにも幸せになってほしい。
だから、戦士として目覚めなくていいよ。
普通の女の子として大きくなって？
今度こそ、私が皆を守るから‥｣
ほたるの頭を撫でながら語りかける人2。
先程のシュミレートを思い出し、改めて自分へ誓う。
｢うさぎにも邪悪なエナジーが迫ってる‥。
私は絶対に負けない‥。大切な人たちを守ってみせる‥｣
夜−−−−−−
誰もが眠りに着いた静かな夜。
街中の窓ガラス、ショーケース、電話BOX
公園の噴水の水面…
鏡のように姿を映し出す物全てに髪の長い女の影。
そして聞こえるはずのない、女の笑い声。
人2は約束通り、ほたると共に眠っていたが、
街全体に張っていたゴールデン・クリスタルの守護に
邪な気配が動き出したのを感じはっと目が覚める。
同時にほたるも何かを感じて体を起こす。
｢だれ？！｣
その時、部屋の窓ガラスにも女の影が。
｢いや！来ないで！｣
咄嗟に人2はほたるを抱き寄せクリスタルの守護で
邪悪な気配を弾き飛ばした。
｢ほたる、もう大丈夫。私が傍にいるからね？｣
｢うん‥｣
優しく頭を撫でてあげると目の前が光出し、
“目覚めよ”という声。
｢この、声は‥｣
人2は声の主を知っていた。
“目覚めよ、我が守護のもと、眠りし魂よ”
｢あなたは、だれ？｣
｢サターン、なのね‥｣
｢私はセーラーサターン、あなたを守護する者｣
｢わたしを？｣
ほたるの質問にサターンは応え、人2へ目を向ける。
｢プリンセス‥。やっとお会い出来た。
変革の時が近づいています。
私はあなたをお守りする為、もう一度‥｢ダメ！｣
｢プリンセス‥｣
｢もういいの‥。もう戦わなくてもいい！｣
｢私達戦士はあなたを守る為に存在するのです｣
｢違う！皆、自分の為に生きていい！
私の為に命をかけないで、自分の夢を叶えてほしい‥｣
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作者名：歩 | 作成日時：2023年5月6日 4時
