【気象/無限】ミニマムな奴ら!!

居酒屋フルムーン3 ページ7

もっとぼろぼろ泣き出して、まともに話せる状態でなくなったため、
知り合いの店長に頼み込んで、個室に通してもらった。

「っく、うっ、う、」


ここ最近おかしかったこと知ってる

週一回しか会えなくて
なかなか見かけることもなかったけど

俺はずーっと気にかけてた


「な、俺でえかったら聞くから」


プライベートを詮索し過ぎるのは良くないけど

分かってはいるけど、だけど



ほっとけるわけ、ない


「ひな」


すると、泣きながらずるずると壁を伝って、
ぺたんと座り込んで、堰を切ったように話始めた。


体調ようならんくてまねーじゃーにおこられてまわりにいっぱい迷惑かけて、でも仕事せなあかんくて、喉痛いし、でもな、
つらかったんやもんさみしかったんやもんあいたかったんやもんよこ、よこごめん、こんなこと言うてごめん困らせたないよ、でもごめん、よこもう俺、あかん、よ、


すき


一瞬、理解できなかった。
すき
誰に向けて言ったんだろうと、俺
すき
ひなが、俺を

すき

噛み砕くのに時間がかかって、

すき

ひくん、と泣いている彼を

すき




「何やもう、ひな、」



噛み付くようにキスをして、

目一杯抱き締めてやった



個室の丸窓から厚い雲の切れ目に覗いた
真ん丸な月が

おれたちを優しく見つめていた


フルムーンの祝福
(すばるはどんな顔してくれるかなぁ)

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