終わりにしよう、この型で。 ページ6
シィィィィッと深く呼吸する。
酸素が体内に充満していく感覚。
これで終わりにしよう。私も、お前も。
『龍の呼吸 零ノ型 白娘子』
白銀だった刀身が紫色に鈍く光り、刃には殺気が纏われる。。
白娘子……それは、救いようのないほど残虐な人喰い龍。だけれど俺が見た書物の中で、一番強い龍だった。
この型は他の型では出せない破壊力が持ち味で、一太刀ごとに斬撃の周りが大きく抉れる。それだけ強い力を込めた斬撃を鬼にお見舞いできるのだ。
それと引き換えに、この型は自身にかかる負荷も凄まじい。骨が折れるだけで終れるなんて思ってない。満身創痍になるだろう。
それでも今は、今こいつらを倒すまでは、倒れられない。
予知して何体もの鬼から放たれる血鬼術や物理的な武器の攻撃をスルスルと抜けて、肉を大きく抉りながら次々と首を刎ね飛ばしていく。
あと七体。
筋肉は既に悲鳴をあげているし、骨は折れる一歩手前だ。気道からは血の味がする。肺も直ぐに限界を迎えるだろう。
どうかあと少し、あと少しだけもってほしい。
建物の外壁や血鬼術で作られた木の根っこ…
辺りに拡がったそれらを足場に、さらに攻撃を躱したりいなしたりしながらまた四つ首を刎ねる。
あと三体。
鬼｢お前ら早く俺を守れ!!!!｣
その声に引き寄せられたかのように、逃げようとしていた鬼二体が俺に攻撃を仕掛けてくる。
大鎌持ちの鬼と針金のような髪の毛を操る鬼だ。
大鎌持ちは動きがわかりやすい。鎌を振った後の隙も多い。
倒しやすい方から斬るべきか。
ビュンッと鎌が振られた直後の隙をついて背後から首を斬った。
あと二体。
髪の毛使いは自分を中心に放射状に髪を伸ばし、俺を囲んだ。このままではダメだと思い、円状にぐるりと斬撃を入れる。
この髪の毛、とにかく硬い。刃こぼれしそうなほど硬い。
何とか斬ったが、ボキッという嫌な音を立てて限界だった右腕の骨が折れた。
鬼は絶対この隙をついてくるとわかっていたので、刀を両手で握って、白娘子に斗牛を混ぜながらその首を討ち取った。
あと一体。
鬼｢おのれおのれおのれっ!!!!｣
『さよう、なら。』
踏み込んだ左脚が右腕と同じような音を立てて折れたのと同時に、恐ろしいほどの速さをもってして俺は、仇の鬼の首を切り落した。
終わっ、た。
安心した途端身体に力が入らなくなって、その場に倒れた。
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ロマネスコ(プロフ) - かりんさん» ありがとうございます！一応一週間に一回定期更新していますが、書ける時書けない時があるので長い目で見ていただければ幸いです(*^^*) (2020年8月31日 15時) (
レス) id: 87cf8bc382 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - 気になるぅぅ！応援してます！ (2020年8月30日 20時) (レス) id: c30d21e2cb (このIDを非表示/違反報告)
(ー∀ー)ｲﾄ - 説明文(？)の所に善逸オチとかいてありました。ちゃんと見ずに質問してしまってすみません！！失礼しました。 (2020年8月22日 18時) (レス) id: cb2121edf2 (このIDを非表示/違反報告)
(ー∀ー)ｲﾄ - 質問です！こちらの作品は宇髄さんオチですか？？ (2020年8月22日 18時) (レス) id: cb2121edf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロマネスコ | 作成日時：2020年3月31日 21時
