女として生まれた俺は男として生きることになりました 弐

機能回復訓練 参 ページ18

拾ノ型の斗牛を参考にした意識的に緩急のある読みづらい動きを繰り返して、カナヲを撹乱させる。


目線も動きも読めない。カナヲがだんだん焦っているのが分かる。




私は...カナヲの意識が1番散漫になってる時を見計らって、予備動作なしで湯呑みを取り、茶をかけた。



アオイ｢そこまで！｣




茶をかけられたカナヲはポカンという顔をしてる。



カナヲ｢羚凰...あなたどこ見てたの？｣


『あまり驚かないで聞いて欲しいんだけど...私ね、未来を予知できるの。目を見開くと未来の場面が見えて、それを見た上で攻撃、防御をするのが私の戦術なの。』



善逸｢えっ？！それ強すぎじゃないっ！？なんで早く言ってくれないんだよぉぉぉ！｣



『昔あんまりよく言われなかったから...』



炭治郎｢でも凄いじゃないか！俺は最近匂いでやっとこさ動きが予測できるようになったばかりなのに！｣



伊之助｢予知だか無知だか知らねぇが強えってことだろ！？俺と闘え！｣



『じゃあ今度木刀で組手稽古でもしようか！付き合ってくれるなら私も嬉しいし！』




またまた寛容に受け入れてくれたので、なんにも怖くない。やっぱりみんないい人たちだ。







さてさて、次は鬼ごっこ。鬼は私、逃げるのはカナヲ。


これは得意中の得意。なんてったって育った町で他の子達とやっていたし、師範のお嫁さんたちともたくさんした。







アオイ｢始め！｣



合図と共にカナヲが駆け出すのを追いかける。もちろん、予知をしながら。


捕まえようとする度に、その動きを見たカナヲに躱される。やっぱり反射神経がすごい。

見てから動けるその速さったらない。私が鬼ごっこの手練じゃ無ければ辛かっただろう。

だって普通、手の間接とか筋肉の動きで次の動きを予想できるなんて思わないもんね。





色々と試して考えながら追いかけるうちに、カナヲは部屋の右隅の角に行ったその直後、左側に走り出す未来が見えた。


きたきた。この機会を逃してなるもんですか！




ここからは...








───私の独壇場だ。

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