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それからすぐに渡米して。
人目につくわけにはいかないから、今後の方向性が決まるまでは引きこもりみたいになったんだけど…。


『…自分がまさかこんなに向かないとは思わなかった』


外に出ない生活は3日で限界をもたらしていた。
ソファでぐったりしながらクリアしてしまったパズルのゲームをアンインストールする。


『…変装できれば外に出てもいいのかな』


「でもAはよっぽど見た目変えないとダメって言われてたろ」


『ねぇ、それ本当に納得いかない!』


なんで公安だってバレたヒロよりも私の方が見た目に関して言われないといけないんだ。アメリカにいたことがあるから?
ヒロは私の髪を手に取ると三つ編みにし始めた。
…器用だな、そんなことできるんだ。私あんまり凝ったことはできないし。


「…可愛いからじゃない?」


『私が?』


「うん。街中で一緒に歩く時とかめちゃくちゃ緊張する…」


『なんで?』


「みんな見てるからだよ!あの子可愛いねって褒めてる声も聞こえることあるし。…実際可愛いし」


『…ありがとう。……あ、そうか』


この髪色がダメなら変えてしまおう。
なにか必要なものがあったら連絡して、と渡されたFBIの人の連絡先をタップした。


٭•。❁。.*・゚ .゚・*.❁。.*・٭•。


はさみを手に取って、背中を覆うくらいまであった髪をばっさり切る。
あんまり上手くはないから本当は美容院とかに行きたいがもうこの際仕方ないだろう。
黒く染めて、黒いカラコンもいれればだいぶ雰囲気が変わる。あとはメイクで誤魔化せば…


『上出来だと思うんだけど、どうかな?』


ヒロと、頼んだものを一式買ってきてくれたFBIの捜査官…ジョディさんって言ってた…の前に姿を表す。
ヒロはぽかんとした後、顔を逸らされた。照れてるんだって最近学んだから、可愛い?と聞けば小さく頷いてくれる。
私からしてみればそんな反応をするヒロが可愛いんだけど…。


「この部屋の空気でコーヒーまで甘くなりそう。…すごい技術ね、どこでそんな事を覚えたの?」


『覚えたっていうか…』


…これヒロの前で言うの恥ずかしいな。
彼には申し訳ないけど、英語で言ってしまおうかな。


『…好きな人が黒髪が好きかなと思ってやってみたことがあるの』


「あなたの恋人、すごく可愛いのね」


ジョディさんがそのまま訳してヒロに言ってしまったから、あーもう意味無いじゃない!

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LieN - この作品すごく好きです!!更新楽しみに待ってます!!(o^∀^o) (2022年6月21日 14時) (レス) @page8 id: ece7746fe0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨宮 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/aroute1351/  
作成日時:2022年6月12日 17時

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