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「えっ、待って。零ってのも全然わかんないけど、2年前ってなに?!」

抱きしめていた腕が外れて、びっくりしたようなヒロの顔が目の前にきた。


『…覚えてないの?』


「2年前…2年前って、え、なに?全然覚えがない…」


『ならそんなに気にしなくていいよ』


「なるだろ!だって妬いたって言うと聞こえはまだいいけど、要はなんか嫌な思いしたって意味だろ、それが…なんていうか、嫌だよ」


『………ならヒント。アメリカで、ヒロがアドバイスした女の子覚えてる?君の幸せを祈ってるよ、みたいなやつ』


ヒロはしばらく考えていた。そんなに綺麗に忘れる?


「あ…もしかして、あの路地裏みたいなとこの、あれ?」


『多分それかな。…あのセリフが、ちょっと羨ましかっただけで、別に妬いたってほどじゃ』


…嘘つきだなぁ、我ながら。
しばらく名前も知らない女の子にめちゃくちゃ嫉妬してたくせに…。


「…女の子ってあんな感じの台詞が好きなの?」


『それは、知らないよ』


「いや…一応、男としては、さ」


ヒロの右手が、私の左手に絡まって、薬指を撫でられた。
…そういう行動で変な勘違いをするくらいには人生経験がある、歳なんだけど。


「本当に好きな子の幸せは、願うものじゃなくて自分がそうしたいな、と思ってるから」


『…幸せにしてくれるの?』


…既にもうかなり幸せだけど。
ちょっとからかいたくて聞いたのに、ヒロの目がすごく真剣で、なんていうか。
…ドキドキが移った。


「…とりあえず近い目標としてはしばらく泣かせないことかな。散々悲しい思いさせちゃったから、しばらくは楽しい気持ちだけあげたい」


『…今、嬉しくて泣きそうなんだけど』


そう言うと、ヒロはちょっと笑ってまた私を優しく抱きしめた。


「それは、ノーカンにして」


٭•。❁。.*・゚ .゚・*.❁。.*・٭•。


『ちなみに、レイの件だけど』


「あ、うん」


『私にはなにもメッセージをくれないんだなぁって…結構仲良しだと思ってたから、その程度だったのかなって凹んだだけ』


「違うよ!元気でねって言うのも、幸せになっても、好きだよも全部直接言いたいものばっかりだったから…結局送れなかったんだ。…傷つけたなら、ごめん」


『…でもその判断は正しいかも。どれも送ってこられたら直接言ってよ、ってどこまでもヒロのこと追いかけちゃうから』

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LieN - この作品すごく好きです!!更新楽しみに待ってます!!(o^∀^o) (2022年6月21日 14時) (レス) @page8 id: ece7746fe0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨宮 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/aroute1351/  
作成日時:2022年6月12日 17時

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