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「…ふぅん」


…なんでこんなに疑われてるんだ?
レイ、あなたこの子に何したのよ。


「お兄さんはこのお姉さんとお友達なの?」


「…うーん、友達ではないかなぁ」


『唯、そういう変な誤解を生むような言い回しはよくない』


唯、というのはヒロの偽名だ。
滅多に呼ぶことはないけど、こういう時サラッと口に出てくるようにめちゃくちゃ練習した。


「唯さんっていうの?かっこいいね!」


そう言いながらヒロの袖を引っ張るから、私とヒロ、多分レイもだけど内心頭を抱えた。
経験談でしかないけど、絶対今この子なんかしたよ。発信機か盗聴器か知らんけど、後で壊さないと。
確信、絶対ただの小学生じゃない。


「あ?三丁目で殺人事件?分かった分かった行く行く」


松田くんが刑事とは思えないラフさで電話に出る。
殺人事件と聞いて、コナンくんは「僕三丁目への近道知ってるよ!」と声をあげた。
…もうなにに突っ込んだらいいのかわからない。


「…お前来るとまぁ早く終わるしいいか。ほら行くぞ」


「はーい!」


2人が出ていったあと、ヒロの上着の袖を見ると、案の定小型のなにかが仕掛けられていて笑うしかなかった。
なにも言わずに壊して、レイに『何者なの、あの子?』って聞いても「さぁ…?」という答えしか返ってこない。


「でも、問答無用って感じでこれ壊しちゃったから、俺らが一般人じゃないのバレたかもね」


『仕方ないよ、そのままにしてはおけないもの』


「そうなんだよなぁ。ってか安室さん、あの子に何したんだよ、なんかめっちゃ疑われてたけど」


「あぁ…ちょっと色々あってね」


『まぁ今ここでする話でもないか。今度じっくり聞く』


「いいよ。でも、必ず僕たちの優秀な協力者になってくれる」


どうぞ、と出てきたのはアイスティーとハムサンドだった。
めちゃくちゃ美味しくてびっくりする。
てっきりレイの見た目で話題になっているのかな、と思ったけどそれが失礼な見方だったことを理解する。


「やけに確信めいた言い方するな」


「あの子はただものじゃないよ、気も抜けない。でも2人には会わせておきたかったからちょうどよかったかな」



ヒロと2人で首を傾げる。
彗星の如く私たちの世界に現れた小さな名探偵が、私たちがまた本当の名前、本当の姿で街を歩けるようになるまでの大きなトリガーになるだなんて、この時の私たちは知りもしなかった。

あとがき→←小さな名探偵との出会い



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LieN - この作品すごく好きです!!更新楽しみに待ってます!!(o^∀^o) (2022年6月21日 14時) (レス) @page8 id: ece7746fe0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨宮 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/aroute1351/  
作成日時:2022年6月12日 17時

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