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私が何しようとしているか気付いたらしい諸伏くんと萩原くん。
でも私は彼らの制止を聞く前に、コップの中を思いっきり彼らにかけてしまった。


しーんと静まる食堂。



『…だから、そういうのやめろって言ってるだろ。そんなに悔しいならなにか1つでも、彼に勝ってみればいい』



静けさに包まれたままの食堂。
彼らは舌打ちすると漫画の中の悪役が如く去っていった。
…途中から冷静になった頭でやっぱり水かけるのはまずかったかなぁ、と考える。


『反省文、何枚書けばいいかなぁ』


未だにこの問題児4人(正確には5人だけど)とつるんでいて反省文を書いたことがないのが私の誇りだったのに。
あーぁ、と思っていると、降谷くん以外の3人が思いっきり笑いだした。



『え、なに?』


「ズレてる、Aちゃんマジでズレてる」
「傑作だろ、こんなの」
「…ダメだ、ほんとに面白すぎる」


ひぃひぃ言いながら爆笑してるけど、なにが面白いのかはさっぱりわかんない。
席に座り直しながら、そんなに笑うこと?と聞くが、3人とも笑いまくっていて誰も私の質問に答えてくれない。


「…もし反省文騒ぎになったら、僕も一緒に書くよ。というか向こうが悪いんだ、そうやって証言する」


『えっ?』



今までほとんど向こうから話しかけられたことはなかったから変な声が出てしまった。
警戒心むき出しだった猫さんが、少しだけ恥ずかしそうな顔でありがとう、と言うものだから。


もし彼が数年後組織に入って、なにかあらぬ疑いをかけられて…なんてことになったらまぁ助けてあげなくはないな、そう思ってしまった。
………待てよ、なんで私は自分も組織にいる前提なんだ、警察側の人間なんだけど?





呼び出しから戻ってきた班長が戻ってきて、お前ら今度は何したんだよ、と笑っていた。
その呼び出しに関する内容は、どうやらこの前夜にコンビニ強盗を捕まえた時のやつらしい。
私が買い物に行ってる間の出来事で、参加できなくて残念だったやつだ。

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作者名:雨宮 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/aroute1351/  
作成日時:2022年5月29日 7時

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