転生したら黒の組織から警察官になりました【警察学校組】 (ページ7)

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警察学校の桜の木の下でぼんやりと思い出していた。
夜風に髪がさらさらと揺れる。

『思い出してきた、気がする』

どうやら私は時間軸をトリップしてしまったらしい。
原因は不明だけど…まぁ最早どうでもいい。

『それにしても、トリップした先が警察って』

「どうかしたの？」

『うわぁっ？！？！』

まさか自分以外の声が聞こえてくるとは思わなくて、柄にもなく大声をあげてしまった。
今はもう日付も変わっている。それなのに一体誰が…

『あっ……えーと、つっかえ棒の』

苦し紛れにそう言うと、目の前に立っていた黒髪くんの彼…が吹き出した。
悪いなとは思ったけど、単純に名前を覚えるの苦手なんだよ。

「あは、そう言われるとは思ってなかった。諸伏景光。よろしく」

君の名前は？と聞かれて少し言葉に詰まってしまう。
名前、なにを名乗ればいいんだろう。
でもあのおじさん…後にこの教場の教官だとわかった…人は私を東堂って呼んでたし、いいのかなぁ…
…この名前を名乗るのは、本当に10年ぶりくらいだ。
飴玉を口の中で転がすようなくすぐったい気持ちになる。

『…東堂A。よろしく、諸伏くん』

よろしくね、と笑った彼は冷たい印象はない。
口調も穏やかでどちらかというとあの松田くんとかとは違うタイプだ。
…といっても、彼のことも大して知らないけど。

『諸伏くんはこんなところで何してるの？』

「…寝れなくて。部屋抜け出してきた」

『勇気あるなぁ』

「あはは、そうかも。そっちは？」

『…うーん…寝れなくて部屋を抜け出してきたところは一緒
』

そっか、と言われ、詳しく突っ込まれるかな、と身構えたがそれ以上追求されることはなかった。

『…昼間の、5人の連携凄かった。昔からの知り合いなの？』

「俺と零…あー、降谷…わかる？」

『なんとなく。綺麗な金髪の、でしょ』

「そうそう。俺と零は幼なじみなんだ。松田と萩原もそうらしい。班長はここに来て初めて会ったけど」

『…へぇ。てっきり地元じゃ敵なし、みたいな5人なのかと』

「…何してるんだ」

また別の声が聞こえてきて、今度は叫びこそしなかったが普通に驚いてしまった。
そこにいたのは…

『えーと…あ、そうだ、降谷くん！』

「あっ、零ずるい。俺なんてつっかえ棒だったのに」

「…何の話だよ…」