ビッケ ページ41
「さァ、段差にお気を付けてお降りください」
ザオボーの開けた扉から足を踏み出し、オルガは小さな連絡船を降りる。
その後に続くハウと共に、彼女は辺りを物珍しそうに見回していた。
白を貴重とした広い建物内を動き回る機械が荷物を運んでいる。
「私にきちんと着いてきてくださいよ。迷われたら困りますからねぇ」
ザオボーから軽く注意を促され、辿り着いたのはこの階の中央に当たる部分。
そこには低めの柵で囲まれたエレベーターが佇んでいた。
と、
「あら、ザオボーさん。もうお着きになったのですね！」
淡いピンクの眼鏡を掛けた一人の女性が、エレベーターから降りるなりザオボーへと声を掛ける。
髪を軽く内に巻き、白衣をきちんと着込んだ彼女にザオボーはわざとらしい溜め息を着いて見せた。
「何度言えば良いのですか？私の事は肩書きでお呼びなさい」
凄さを伝えたいのです、と加えたザオボーに女性は苦笑いすると「はい」と小さく返事を返す。
「大変だね〜、大人の世界って」
「本当だよね……私には難しいかもしれないな〜……！」
「ハウはともかく、オルガは大人だロトよね！？」
小声で会話を交わすハウとオルガ。
突っ込んでくるロトムはお構いなしに、自分達へ視線を向けた女性に向き直った。
「初めまして。私、エーテルパラダイスの職員のビッケと申します。オルガさんとハウさん、ですね。ようこそエーテルパラダイスへ！」
眼鏡の奥で目元を緩めたビッケに、二人も自己紹介を……
と考えていたのだか、
「え、私達の事を知ってるんですか？」
名前を知っていた事に驚きを隠す事なくオルガが尋ねる。
「勿論です！ハウさんの事は先程支部長から連絡がありましたし、オルガさんは職員を助けて頂いた事でここでも大変有名ですよ」
パフォーマーとしても、と付け加えて笑うビッケはさりげなく色紙とペンを取り出した。
「サイン、お願いしても宜しいですか？」
どうやら目の前の女性が一人のファンだと理解したオルガは、嫌な顔一つせずにペンを走らせる。
彼女から返された色紙を大切に抱え、ビッケは頭を下げた。
「ありがとうございます！では、お二人を保護区へご案内しますね」
ビッケに示されたのは例のエレベーター。
ザオボーとビッケと共に乗り込み、オルガとハウを乗せたままそれは上へと移動する。
振動も音も少なく、ものの数秒で目的の階へと辿り着いた。
そこに広がるのは、
ドーム状の天井をガラスが覆い、
多くの木々や人工的な川、湖などで作られたポケモンの住みかだった。
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CrazyBook(プロフ) - IzuMeさん» 拙い小説書きですが、読んでくださってありがとうございます！少しずつでも更新していくので宜しくお願いします！ (2018年11月12日 18時) (
レス) id: 8f3bd404cb (このIDを非表示/違反報告)
IzuMe - 初めまして！これからの展開がとても楽しみです！ゆっくり自分のペースで頑張ってくださいね！小説書きの方が読みやすいですね (2018年11月11日 23時) (レス) id: f829c8a31c (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - NIGHTMARE DOLLさん» コメント、ありがとうございます！カロスの方も読んでくださったんですか！？こちらこそ有難いです！亀更新ですが、気長に読んでください！頑張ってアランを登場させます！ (2018年7月18日 19時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
NIGHTMARE DOLL(プロフ) - 初コメです。XY&Zは個人的に思い入れのあるアニメだったので、こんな素晴らしい作品を読ませてもらって有難いです。アランの登場が待ち遠しい中、ウルトラビーストとの死闘にカロスでのいつメンが出て来てほしいです。長々と書いてしまい、すみません。応援してます！ (2018年7月18日 2時) (レス) id: ddee853101 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook - 桜さん» いえいえ、とてもありがたかったです！またミスや矛盾点がありましたらご指摘をお願いしますね。 (2018年2月19日 22時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CrazyBook | 作成日時：2017年11月13日 21時
