独り ページ18
No side
「“雷の牙”ッ！」
はつらつとした声に、１つの影が揺らぐ。
相手は影の剥いた牙に、抵抗する間も無く捕らえられた。
そしてそのまま戦闘不能へ持ち込まれる。
「まいった！私達の敗けだよ！」
戦闘不能となったポケモンのトレーナーは、両手をあげてオルガへ微笑んだ。
「私達の勝ちだってさ、ルメク」
マスターに声をかけられ、相手のゴルダックを押さえつけていたルメクはヒョイと顔をあげる。
『ホンマかいな！ワイな、水タイプの相手に勝てたの初めてなんやで！』
嬉しげな彼の頭を撫で、オルガはパートナーを戻した相手に向き直る。
トレーナーであるアロハシャツ姿の紳士は、凄いですねと口を開いた。
「私は“雷の牙”を覚えたルガルガンに会うのは初めてです。タイプ相性に屈することのない貴女達に感動しました！
これなら……ここで眠る友も喜んでくれたでしょう。お手伝い、ありがとうございました」
オルガ達に一礼した彼は、背後の直方体の黒い石に何か声をかけるとその場を立ち去る。
そう、
オルガ達が足を踏み込んだのはメモリアルヒル。
単純に言えばポケモンの墓場だ。
場所が場所のため、先程からステラはオルガの肩の上で怯え続けていた。
『あのおっさん、ホンマにポケモンの事想っとるで』
不意に口を開いたルメクを、オルガは振り向く。
『あんな、ワイらポケモンもいつかは死んでまう。もしもトレーナーはんよりも先に逝ってもうたときにはな、ワイらの前で泣かんでほしいんや。元気でおってくれはるのがいっちゃん嬉しいモンなんやで？』
納得したのか、頷いた彼女はルメクに歩み寄る。
そして目の前にしゃがむと、ステラもろとも力強く抱き締めたのだった。
『ど、どないしたんや姉御！？』
「く、苦しいよぉ……」
ペシペシ、と二匹はマスターの腕を叩き漸く解放される。
安心したようにため息を着いたオルガは、小さく笑って彼らと目を合わせた。
「貴方達は……勝手にいなくならないでね？」
素早く頷いた二匹はふと気が付いた。
マスターの目が笑ってはいない事に。
『なんや姉御……そんな目ぇせんでもワイらはここにおるで』
ルメクに同調するように、オルガの腰のボールも揺れる。
「え？あ……」
咄嗟に首を振り彼女は、顔をあげる。
そこにはいつもの明るさを持つオルガの姿があった。
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CrazyBook(プロフ) - IzuMeさん» 拙い小説書きですが、読んでくださってありがとうございます！少しずつでも更新していくので宜しくお願いします！ (2018年11月12日 18時) (
レス) id: 8f3bd404cb (このIDを非表示/違反報告)
IzuMe - 初めまして！これからの展開がとても楽しみです！ゆっくり自分のペースで頑張ってくださいね！小説書きの方が読みやすいですね (2018年11月11日 23時) (レス) id: f829c8a31c (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - NIGHTMARE DOLLさん» コメント、ありがとうございます！カロスの方も読んでくださったんですか！？こちらこそ有難いです！亀更新ですが、気長に読んでください！頑張ってアランを登場させます！ (2018年7月18日 19時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
NIGHTMARE DOLL(プロフ) - 初コメです。XY&Zは個人的に思い入れのあるアニメだったので、こんな素晴らしい作品を読ませてもらって有難いです。アランの登場が待ち遠しい中、ウルトラビーストとの死闘にカロスでのいつメンが出て来てほしいです。長々と書いてしまい、すみません。応援してます！ (2018年7月18日 2時) (レス) id: ddee853101 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook - 桜さん» いえいえ、とてもありがたかったです！またミスや矛盾点がありましたらご指摘をお願いしますね。 (2018年2月19日 22時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CrazyBook | 作成日時：2017年11月13日 21時
