思い出を貴女に ページ11
夕食をお預けにし、オルガは町の奥までやって来ていた。
そこには……
『派手だロト……』
全面黄色なのに加え、ピカチュウのイラストに埋め尽くされたキャンピングカー。
思わず声を漏らしたロトムに、オルガも迷うことなく頷いて見せる。
中に明かりが灯っていることを確かめ、彼女はドアをノックした。
と、
「はーい、どなたー？」
思っていた以上に若々しい声が聞こえ、ドアが開けられた。
中から出てきたのは淡い金髪を後ろへ流し、濃い黄色をベースにした細身のワンピースを纏った女性。
顔にあるうっすらとしたシワを気にさせないほどに目を輝かせて、彼女はステラを見つめた。
「まぁ！ピカチュウを見せてくれるのね！入って入って！」
嬉しげに手招きをする彼女に連れられ、オルガは足を踏み入れた。
そこは10匹以上の黄色いポケモンで賑わっていた。
見れば全てがピカチュウである。
唖然とするオルガとロトムを奥のテーブルまで招き、コップを２つ持ってきた。
勿論、柄はピカチュウである。
「うふふ、驚いたかしら？」
楽しそうに笑う彼女はコップへ口をつける。
「本当にピカチュウがお好きなんですね……」
「勿論よ！」
至るところのピカチュウグッズへ驚くオルガへ女性は頷いた。
「私はピカチュウの可愛さを伝えるためにアローラを旅してますの。ピカチュウおばさん、と巷ではよばれているでしょう？」
「……！オルガと言います！」
それを聞き、ハッとしたように名乗った彼女へ、女性はシルビーヌと名乗った。
「若い頃はピカチュウ達と島巡りをしていたのよ。けど、島キング達の壁は高くてね……」
恥ずかしそうに笑う彼女は、オルガの腕のZリングへ視線を移した。
「私のように途中で投げ出さないようにね。大丈夫、ピカチュウを大切にする人へ守り神は悪さをしないから」
力強く頷いたオルガへ彼女は満足げに微笑んだ。
しばらく談笑をし、ステラが他のピカチュウと打ち解けてきた頃、
受け取って欲しいものがある、とシルビーヌが席を外した。
すっかり冷めたココアを飲み干したオルガの前へ、彼女はあるものを差し出す。
それはZクリスタルだった。
「そ、そんな大切なもの……！」
流石に狼狽えずにはいられない彼女の手に、シルビーヌはそれを握らせる。
「老人の我が儘よ。私の思い出が貴女の島巡りへ役立ってほしいの」
微笑むシルビーヌの後ろには一枚の写真が。
6匹のピカチュウと共にZリングを掲げる金髪の少女が笑っていた。
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CrazyBook(プロフ) - IzuMeさん» 拙い小説書きですが、読んでくださってありがとうございます！少しずつでも更新していくので宜しくお願いします！ (2018年11月12日 18時) (
レス) id: 8f3bd404cb (このIDを非表示/違反報告)
IzuMe - 初めまして！これからの展開がとても楽しみです！ゆっくり自分のペースで頑張ってくださいね！小説書きの方が読みやすいですね (2018年11月11日 23時) (レス) id: f829c8a31c (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - NIGHTMARE DOLLさん» コメント、ありがとうございます！カロスの方も読んでくださったんですか！？こちらこそ有難いです！亀更新ですが、気長に読んでください！頑張ってアランを登場させます！ (2018年7月18日 19時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
NIGHTMARE DOLL(プロフ) - 初コメです。XY&Zは個人的に思い入れのあるアニメだったので、こんな素晴らしい作品を読ませてもらって有難いです。アランの登場が待ち遠しい中、ウルトラビーストとの死闘にカロスでのいつメンが出て来てほしいです。長々と書いてしまい、すみません。応援してます！ (2018年7月18日 2時) (レス) id: ddee853101 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook - 桜さん» いえいえ、とてもありがたかったです！またミスや矛盾点がありましたらご指摘をお願いしますね。 (2018年2月19日 22時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CrazyBook | 作成日時：2017年11月13日 21時
