気迫 ページ20
あまりの出来事に目と口を見開いたまま唖然とするオルガ。
ルメク『………』
そんな彼女をルメクは紅い半月のような瞳で一瞥した。
オルガ「ルメク…？」
急に鋭い雰囲気を纏うようになったルメクへオルガは恐る恐る尋ねる。
と…
ルメク『なんや姉御、ワイが格好よぅなりすぎて見とれてしもうたか！』
以前と同じ無邪気な笑みを浮かべるルメクに彼女はホッと息を吐く。
オルガ「本当に…カッコいいよ！」
そう笑ったオルガの前へロトムが姿を現した。
ロトム『ルガルガン、狼ポケモン。岩タイプ。敵を挑発し、ワザと襲わせる。肉を切らせて頭突きを食らわせ、鬣の岩で骨を砕く』
その説明に「カウンター型…」と彼女は小さく呟く。
ルメク『ワイは…アイツ許さへんで…！』
キッとルメクが睨み付けた先にはニヤニヤと笑うエンニュートの姿が。
オルガ「勝とう！それが一番の決着の付け方だよっ！」
そう言って手を握り締めた彼女に『おっしゃあ！』とルメクは吠える。
エンニュート「にゅあらっ！！」
それを待っていたかのようにエンニュートがルメクへ突っ込んできた。
毒に染まった尾をしならせ、ルメクの前で飛び上がったと思えば素早く降り下ろす。
ガシャン！
ドガンッ！
ズガンッ！
ルメクにかわされるそれは鈍い音をたてて地面を凹ませていく。
エンニュート「…っにゅとっ！！」
しびれを切らしたぬしは“ベノムショック”を放った。
オルガ「かわして！」
それを身を屈めて回避したルメク、
彼に不意打ちの“ポイズンテール”が襲いかかった。
ズバンッ！！
空を切り裂く音をたててルメクへ決まる“ポイズンテール”。
しかし…
ルメクは吹き飛ばされることなくそれを受け止め、エンニュートへニヤリと笑い返していた。
オルガ「アンタの試練なんか乗り越えてやるんだからっ！！“カウンター”！！」
オルガの声が響き渡る瞬間にルメクの拳が狼狽えるエンニュートへ襲いかかる。
ズガンッ！！
鈍い音をたてたそれはエンニュートの体を容易く吹き飛ばした。
ズサアアッ…
エンニュート「えん…にゅあっ…！」
ズルリと起き上がったエンニュートの目が鋭いルメクの視線を捉える。
ルメク『たかが試練…
…そんなもんでワイの姉御を失ってたまるかぁっ！！』
ルメクの気迫に圧されたぬしはスウッと目を細める。
そして何か満足したように頷き火山の向こうへと姿を消したのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 30人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
CrazyBook - ボムねこ@月夜の女神シィさん» ありがとうございます！主人公だけに見せるその面が私も大好きです！ (2017年7月28日 7時) (
レス) id: 8a24e3813f (このIDを非表示/違反報告)
ボムねこ@月夜の女神シィ(プロフ) - アラン素直で可愛いですね(( (2017年7月28日 0時) (レス) id: 02630f3ef1 (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook - ななしさん» ありがとうございます！1日1話の更新を目指していますが出来ない日もあるかもしれません。気長に読んでください！ (2017年7月25日 6時) (レス) id: 8a24e3813f (このIDを非表示/違反報告)
ななし - 面白いです！更新頑張ってください！ (2017年7月25日 3時) (レス) id: 0290d192ab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：CrazyBook | 作成日時：2017年7月2日 9時
