観光旅行が南国を救う！？

朝散歩 ページ28

翌日、

「ん……？」

ふと目を覚ますオルガ。

重い頭を持ち上げると自身の横でアシマリが、足元やベッドの周りには他のパートナー達が眠っていた。

「しゃ……ま……」

眠るアシマリの目から小さな滴がこぼれ落ちる。

「悲しい夢でも見てるのかな……？」

オルガはそっと滴を指で拭ってやる。

「私はその悲しさを埋められるかな……」

自傷気味に笑って一匹ずつボールに戻していく。

アシマリを寝かせたままボールの数を数えたオルガは首をかしげる。

「サーナイトがいない……？」

隣のベッドを見るとニャビーと共に爆睡するアランの姿がある。

その側にあるモンスターボールを見るとリザードンは戻っていなかった。

「二人でお出掛けかな」

オルガは窓の外を見て機嫌良く笑うと、鞄から昨日と同じ型の服を取り出した。

……

「本当に勝手に出てきて良かったのかよ……？」

不安そうに呟くのはアランのリザードン。

「大丈夫よ！オルガは案外察しがいいから！」

その背に乗るサーナイトは、マスターに似た屈託のない笑みをみせる。

「久々に会ったし……デートしたことはないでしょ？朝散歩ぐらい良いじゃない……！」

そう言ってサーナイトはリザードンの顔を覗き込み、鼻に軽くキスをした。

「え……わ……お……あ……！？」

訳のわからない叫び声と共に炎を吐き出し、リザードンは飛ぶスピードをあげた。

この日の朝、メレメレ島の上空では火を吐きながら顔を真っ赤にして猛スピードで飛ぶリザードンと、その背に乗るご機嫌なサーナイトの姿が目撃されたと言う。

趣味→←抱えてる

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す