episode7秋side ページ7
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「こ、幸太郎くん。ちょっと話があるんだけど……」
「あぁ、なら俺コンビニ入ってるか?」
「ううん、えっと……立花さんも」
「さん付け嫌い」
「立花くんも、居ていいよ」
「わかった」
胡桃が深呼吸をして、幸太郎の目を見つめた。
あれ、もしやこれは……と俺が察したと同時に、きょとんとしている幸太郎に胡桃は言った。
「委員会でどうすればいいかわからない時教えてくれて……その、好き、です。つ……付き合ってください!」
「え、……え?」
突然の告白に驚く幸太郎。
無理もない、現に俺も自分のことのように緊張している。
幸太郎はどう返事をするのだろうか?
全く、胡桃は俺にここに居ていいと言った上でこんな告白をするとは、いったい何を考えているんだ。
おかげで俺まで心臓ばくばくしてるし、この音幸太郎まで聞こえそうだよ馬鹿。
「あの、ね。胡桃ちゃんの気持ちはありがたいんだけど…本当にごめんね? 僕好きな人居るんだ。だから、ごめん。友達のままで……いいかな」
申し訳なさそうに、幸太郎は言った。
胡桃はそれを聴いて一瞬辛そうな顔をしたが、すぐに笑顔を作って「ごめんなさい、ありがとう、これからも友達でいてね」と告げて駅の南口方向へ一歩踏み出した。
その横顔を涙が伝うのを見て、早鐘を打っていた俺の鼓動は急速に治まった。
「……悪いこと、しちゃったな」
ぽつりと呟いた幸太郎。
「いや、はっきり言えたお前はすごいよ、こたろう」
……うん、と頷いた幸太郎はそのまま、自宅のある方面へ向かう地下鉄南北線の車両に乗るために乗車券を買う。
あ、と呟いた俺。
コンビニでココア買うんだった。
「あのさ、作戦のことなんだけど__」
「こたろう、悪いけどここで待ってて。俺さっきのコンビニでココア買ってくる。話、あとでもいい?」
「ん、わかった。急がなくていいよ?」
「ありがと」
俺はさっきのコンビニへ向かって、今来た道を戻り始めた。
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綾音日和。@たこむし(プロフ) - 柚李さん» ありがとうございます! 更新頑張ります! (2017年2月21日 19時) (レス) id: 61bdcd300b (このIDを非表示/違反報告)
柚李(プロフ) - テストお疲れ様です! これからも更新頑張ってくださいね! 応援してます♪ (2017年2月21日 17時) (携帯から) (レス) id: 08c9ef1253 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綾音日和。@たこむし | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aromalight2/
作成日時:2017年1月19日 21時