episode6秋side ページ6
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「おい、こたろう」
「あ、秋くん、帰るの?」
帰り際、幸太郎に声をかける。
こいつは信用しているので、作戦について相談するのだ。
学校を出て、少し歩いた。
今歩いている道を進んで右に曲がれば、駅がある。
俺はそこで切り出す。
「こたろう、前に話した東京の同級生の話覚えてるか?」
「あ、うん。例のバレンタイン少年でしょ?」
「そう。実はな、今日来た転校生、彼奴なんだよ、その同級生」
「え、早川くん?」
「おー。だからな、今から話す作戦、聞いてくれるか? 彼奴に復讐するための作戦」
「いいの? 僕が聞いちゃって……」
「こたろうだから話すんだよ。お前以外には死んでも話さないから、お前も誰にも話さないって約束できるか?」
「勿論。約束は守るよ」
「ありがとな」
そのうちに駅に着いた。
俺は駅のコンビニの壁に寄りかかって、今日考えた作戦を話す。
幸太郎は相槌を打ちながら聞き終えると、いいと思う、協力すると言った。
これだから幸太郎は好きだ。
こいつの笑顔は、何かしらの癒し効果がありそうだと、俺は日頃思う。
立ち話をしていたら体が冷えた。
帰りの電車まではまだ時間があるので、コンビニで温かいココアでも買おうかと思ったその時、コンビニの自動ドアが開き、見知った顔が現れる。
「あ、幸太郎くん」
確か幸太郎と同じ委員会のやつだ。
隣のクラスだった気がする、と相手の制服に目をやると、胸元のネームプレートには「2−1 中原胡桃」と書いていた。
「あぁ、胡桃ちゃん」
幸太郎が「こももちゃん、やっほー」と微笑んだことに驚く俺。
いや、微笑んだことに驚いたのではなく、胡桃の読みが"こもも"だったことに、だ。
"くるみ"だと思ったんだが、やはり人名は予想の斜め上を行く。
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綾音日和。@たこむし(プロフ) - 柚李さん» ありがとうございます! 更新頑張ります! (2017年2月21日 19時) (レス) id: 61bdcd300b (このIDを非表示/違反報告)
柚李(プロフ) - テストお疲れ様です! これからも更新頑張ってくださいね! 応援してます♪ (2017年2月21日 17時) (携帯から) (レス) id: 08c9ef1253 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綾音日和。@たこむし | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aromalight2/
作成日時:2017年1月19日 21時