episode30南side ページ32
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「ん、やべぇ、俺バイトだった、じゃあな! 気をつけて帰れよ!」
「あっ……うん、ごめんね秋、ばいばい」
「じゃあねー!」
私は気づいてしまった。
我が親友、野口栞奈は立花くんのことが好きなのだと。
いや、むしろなんで今まで気づかなかったんだ。
思い返せば、栞奈の好意は見え見えだった。
これがアニメやラノベだったら、視聴者や読者に「分かりやすすぎて草」なんて言われているレベルだ。
「ねぇ栞奈、あんたさ」
今まで毎年買ったチョコだったのに、去年のバレンタインから急に手作りチョコをはじめたのも、立花くんの前では自然な笑顔なのも、栞奈は無意識に彼を意識していたからなんだろう。
水臭いな、まったく。
私に話してくれれば協力したのに。
「何、南ちゃん」
まだ熱を持っている顔をこちらに向ける栞奈に、私はふふんと口角をあげる。
そして、自信満々に栞奈に指を指し、口を開いた。
「栞奈の恋、私が応援してあげる!」
「……えっ?」
「好きなんでしょ? 立花くん」
「なっ、なんで知ってるの……!?」
「知ってるも何も、バレバレだよ、あれじゃあ」
嘘でしょ、という表情と、効果線のつきそうな雰囲気を醸し出す親友。
しかしその表情はすぐに照れた少女漫画のヒロインみたいに変わり、恋する乙女という文字の似合いそうな仕草。
こんなに可愛いのに何故モテないんだろうか。
あぁ、人と話さないからか。
慣れた人にしか笑わないし。
「バレてたんだ、そっか……」
「水臭いじゃん、言ってよねぇそういうのはさ」
「だってさぁ、南ちゃんうっかり言いそうじゃん……」
まるで私が空気読めないみたいな言い方だ。
とんでもない、数々の漫画・アニメ・ラノベを見てきた私が友達1人の恋を成就させられない訳がないじゃないか!
「栞奈、私を舐めてもらっちゃ困るぜ?」
「何を意識してるの」
「恋のキューピット南ちゃんにまっかせなさい!」
どん、と胸を叩きウィンクしてみせると、栞奈は苦笑いで頬を掻く。
「……うん、わかったよ南ちゃん。よろしくね」
笑って見せた親友に、私は必ず彼女を幸せにしようと決意した。
……なんかこの言い方だと、私が栞奈と結婚するみたいだ。
私は画面の向こうに嫁がいるんだけどな……
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綾音日和。@たこむし(プロフ) - 柚李さん» ありがとうございます! 更新頑張ります! (2017年2月21日 19時) (レス) id: 61bdcd300b (このIDを非表示/違反報告)
柚李(プロフ) - テストお疲れ様です! これからも更新頑張ってくださいね! 応援してます♪ (2017年2月21日 17時) (携帯から) (レス) id: 08c9ef1253 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綾音日和。@たこむし | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/aromalight2/
作成日時:2017年1月19日 21時