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扉を開けると、其処には複数の子供と一人の男が居た
「参ったか?」
「参らない!」
長身の男に捕まっている少年は叫んだ
―――これは何時も通りの日常
Aは近くに居る男の子を抱き上げ、終わるのを見守っていた
残りの子供達はもはや戦意を失い
頭目が何分のあいだ指揮官としての
「ならば探偵社流の尋問といこう」
彼は少年の両脇を掴んで、思いきりくすぐった
「ぶひゃひゃひゃひゃ!待っ、あひゃひゃひゃひゃひゃ!」
少年が彼の降伏条約に同意するまで、二分四十二秒かかった
これでは出勤時間に100%遅れるだろうとAは思ったが
Aは自分が寝坊した事を悟られると面倒だと思い
終わるまで一度も口を挟まなかった
遅刻をして同僚や上司、後輩などに叱られるのも面倒だが
……それ以上に、A自身がその光景をずっと眺めて居たい
という思いの方が勝ったのも原因の一つだった
暫くすると、長身の男がAに気付いた
「A。何時から其処に居たんだ?」
『ん〜…。君達が探偵社ごっこをしてる途中から、かな?』
「そうか。俺が気付いてやれなかっただけか」
『ふふっ…。相変わらずだね―――作之助は』
長身の男―――‥‥もとい織田作之助は
振り向きながらAにそう云った
彼が気付かなかったのも無理はない
彼女は敢えて織田が気付かないように気配を消し
尚且つ織田の異能力で悟られないように、態と混ざらなかったのだから
『それじゃあ、下で朝ご飯を食べながら小さな探偵さん達の戦況でも聞こうかな』
それから下の階へ行き、しばらくの間、子供達と会話をした
彼等によると、洋食店での暮らしについてはおおむね及第点を与えてもよいと思っている反面
食事のメニューが(朝食を除いて)三日替わりでローテーションすることについては
きわめて不本意に感じており、早期の改善をするか
さもなければ早々に厨房に立つ許可を貰いたい、という事だった
「おじさんやA姉はやさしいけど」と最年長の少年は云った
「なんというか、おれたちをみんなガキあつかいするんだよな。
おれたちみんな、もうとっくに大人なのに。
大人ってやつは、おれたちが早く一人前になって困ることでもあるのかよ?」
あるけど子供達には言い難い事なのだ、とAは考えた
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森ミク(プロフ) - 新双黒推しの白猫さん» お褒め頂き有難う御座います!白い華とセツナの愛シリーズは話数多いので読み返すのは大変だと思いますが…何度も読んで下さり有難う御座います。とても嬉しいです。そういって頂けると作者冥利?につきます!これからも頑張っていきたいと思います。 (2021年8月30日 15時) (レス) id: c515606cc3 (このIDを非表示/違反報告)
新双黒推しの白猫(プロフ) - やはり森ミク様の書く小説は凄いですね!白い華とセツナの愛シリーズ何度も読み返してます!いつも応援しています。更新頑張ってください! (2021年8月25日 18時) (レス) id: 1782e61157 (このIDを非表示/違反報告)
森ミク(プロフ) - 零さん» えっ…文才なんて一般人以下ですよ??読者様にそういっていただけると自信がつくので嬉しいです!コメント有難う御座います。 (2021年5月31日 19時) (レス) id: c515606cc3 (このIDを非表示/違反報告)
零 - 相変わらずの文才ですごいです...いつも感激しています!! (2021年5月30日 20時) (レス) id: cfcfb7c0ae (このIDを非表示/違反報告)
森ミク(プロフ) - yuunaさん» 応援ありがとうございます!以前、ほかの読者様にもリクエストをいただき、少しだけ呪術廻戦を見てにわかですが作品を作ってみました。夢主は太宰さん似の少女ですが、興味があったら暇つぶし程度で読んでみてくださいませ!! (2021年4月6日 16時) (レス) id: c515606cc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:森ミク | 作成日時:2020年10月8日 18時