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#22 ページ23

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ポートマフィア本部ビル


横浜の一等地にそびえ立つ、黒い建築物

外見は清潔で新しい高層ビルだが、その内実は難攻不落の要塞だ

窓硝子はすべて防弾・防爆

外壁は戦車の榴弾砲すら防ぐ特別仕様になっている

軍の要塞施設並みの防御力だ


緑はそのビル内部を進んだ


銃で武装した無口な同僚の間を通り抜け、

王侯の謁見の間にあるような毛足の長い高級絨毯を踏みながら、目的地へと向かう


そして廊下の突き当りへと進んだ瞬間―――視界に黒い帽子が入り込んだ



「…中原幹部じゃないですか。何故ここに?貴方は首領(ボス)の護衛では?」



緑の視線の先には、黒い背広に黒帽子。

少年と見紛(みまが)うような背格好だが、その実力は、

組織第二位の権力を持つ最高幹部にして、マフィア最強の異能者だった



「あァ…緑か。首領(ボス)なら今は丁稚(でっち)と一緒だ。
 報告書なら彼奴が出てきた後にしろ」

「またあの人虎ですか。僕はいくら首領(ボス)と謂えど時間を取られるのは嫌なんですけどね。」

「俺に不満を言うんじゃねえよ。それなら首領(ボス)に直接言え」



中也が緑を睨みながら云った



「言ってますよ。言っても何も改善されないから貴方に言ってるんですよ。
 僕はそもそも貴方や人虎とは違って契約をした者ですので…これ以上待たされるのであれば――」



刹那、堅牢なつくりでできた両開きの扉が開いた



「失礼しました」



そう云って扉から出てきたのは――ひとりの少年だった


前髪が斜めに切り揃えられた、白い頭髪

あどけなさの残る顔

喉元まですっぽり覆い隠す黒い外套が特徴的だ


緑は少年を一瞥した後、目が合ったにも関わらず

そこには何も無い空気を見ているかのような何も映さない瞳で首領(ボス)執務室へと足を踏み入れた


広い首領(ボス)執務室には、独特の雰囲気があった

証明のための飾り燭台も、中央に設えられた執務机も、世界中にふたつとない高級骨董品だ

だがどんな装飾具も、この部屋に間違えて迷い込んだ余所者のように見える


部屋には死の気配が充満していた


床も天井も黒

壁も四方が黒

壁のうちひとつは通電することで透明になり

横浜の街を一望できる全面窓になるはずだったが、その機能はこの四年間、一度も使われていない


すべては現首領(ボス)――太宰を、狙撃や砲撃から護るためだ

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森ミク(プロフ) - 新双黒推しの白猫さん» お褒め頂き有難う御座います!白い華とセツナの愛シリーズは話数多いので読み返すのは大変だと思いますが…何度も読んで下さり有難う御座います。とても嬉しいです。そういって頂けると作者冥利?につきます!これからも頑張っていきたいと思います。 (2021年8月30日 15時) (レス) id: c515606cc3 (このIDを非表示/違反報告)
新双黒推しの白猫(プロフ) - やはり森ミク様の書く小説は凄いですね!白い華とセツナの愛シリーズ何度も読み返してます!いつも応援しています。更新頑張ってください! (2021年8月25日 18時) (レス) id: 1782e61157 (このIDを非表示/違反報告)
森ミク(プロフ) - 零さん» えっ…文才なんて一般人以下ですよ??読者様にそういっていただけると自信がつくので嬉しいです!コメント有難う御座います。 (2021年5月31日 19時) (レス) id: c515606cc3 (このIDを非表示/違反報告)
- 相変わらずの文才ですごいです...いつも感激しています!! (2021年5月30日 20時) (レス) id: cfcfb7c0ae (このIDを非表示/違反報告)
森ミク(プロフ) - yuunaさん» 応援ありがとうございます!以前、ほかの読者様にもリクエストをいただき、少しだけ呪術廻戦を見てにわかですが作品を作ってみました。夢主は太宰さん似の少女ですが、興味があったら暇つぶし程度で読んでみてくださいませ!! (2021年4月6日 16時) (レス) id: c515606cc3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:森ミク | 作成日時:2020年10月8日 18時

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