第五十三話 ページ4
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『はあ……。仕方ないな〜』
今まで傍観を決め込んでいたAが嘆息し、身を乗り出す
その表情は先刻とは打って変わったように真剣だ
『理事官殿。この口下手なアホ部下達の代わりに僕が説明しますとですね。
部長に内密でこちらに伺ったのには、やむを得ぬ事情が在るのです。
公安内部、特に部長の側近に、爆弾犯への内通者が居る疑いが浮上したのです』
「何ですと？」
『その為我々は、内部監察官と協力し、犯人の特定、及び公安内の内通者を特定すべく、
こうして内密にご相談に上がった次第なのです。部長が此処に来れば、
事情を察知した内通者が爆弾を起爆させる懼れがある。
その前に爆弾の設置場所を掴まねばなりません』
話を聞いた理事官の顔色が変わる
「そ……それは確かに重篤な問題です。しかし、そうならそうと早く云って頂ければ」
そう云いながらちらりと国木田を見る理事官
『彼が云えなかったのも、凡て漏洩を心配しての事です。
嘘が下手な男ですが、これも機密保持の為です。貴方が同じ立場であれば、
自分の上司が内通者かも知れぬと云う事を日本警察においそれと明かせます？』
Aの表情は、演技だと思えぬほど迫真に迫ったものだった
何時もの柔らかな表情は其処になく、相手を射抜くような鋭い目と、先刻より少し声色の下がった声
演技だと判っている国木田でさえも
Aが国木田と太宰の上司であり、公安内部の人間だと思えてきてしまうような錯覚
これを演技だと見抜ける人間は、世界でも一握り居るか居ないか、だろう
「確かに……」
Aの話を聞いて、頷く理事官
『幸い、爆弾を製造した主犯は或る程度絞られています。
過去に海外で大規模な爆弾テロを起こした人間です。
これは、世界のテロリストの敵たる貴国にとっても、国家保安上重要な捜査です。
体制内部に巣くう反政府因子を、貴国の諜報機関と協力し一掃したい。ご協力願えますか』
「判りました。ご協力させて頂きます」
国木田(A………お前、凄いな……)
「ご案内します。こちらへ」
理事官は慌てて立ち上がり、三人を手で促す
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森ミク(プロフ) - ルムさん» わわっ、本当ですか…！嬉しいです、有難う御座います！ (2020年9月4日 19時) (
レス) id: c515606cc3 (このIDを非表示/違反報告)
ルム - 森ミクさんの作品愛読させてもらっています。全部 (2020年8月30日 18時) (レス) id: cfcfb7c0ae (このIDを非表示/違反報告)
森ミク(プロフ) - ルムさん» 有難う御座います。一日一話更新出来るように頑張りますねっ…！ (2020年8月26日 18時) (レス) id: c515606cc3 (このIDを非表示/違反報告)
ルム - 頑張ってください!!! (2020年8月26日 6時) (レス) id: cfcfb7c0ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：森ミク | 作成日時：2020年8月25日 19時
