環くんとあの日 ページ35
食後、洗い物を終えたAは明日の出張の要項であろうプリントを見直す天喰の隣に座った
「…明日の？」
「あ、うん、確認しておこうと思って」
鞄にプリントを仕舞いながら答える天喰に、Aは少し躊躇ってから口を開いた
「明日の出張って────危険なの？」
「…！」
その問に、天喰はぴくりと眉を動かすも、すぐに表情を元に戻した
「…ごめん、出張に関しては何も言えない」
天喰のその態度に、危機感を覚え、Aは思わず天喰の腕を掴んでいた
「っ…、やっぱり、そうなんでしょ？
だって、昨日のファットガムと環くんの表情、険しかったもん
どうして────」
そこまで言って、Aは言葉を辞めた
────思い出した、ふと、務め初めのまだ最初に、ファットガムに言われたことを
『最後に1つ
ヒーローの仕事は、普段のパトロールもあれば、護衛も、敵と戦うことも、色々ある
そん中でも、重要任務のときは任務内容を口外禁止になる
周りを信用してない訳やない、任務の成功率を上げるためや
────今は、ヒーローは事務員との信頼関係も重要になっとる
せやから事務員にはきちんと理解して貰わなあかんのや
────そうなったら、理解してな』
椅子から立ち上がって、ファットガムはにっと笑った
(────嗚呼、大事なこと、忘れてた)
ファットガム事務所の事務員として、守らなくちゃいけないこと
(馬鹿、私────！)
言わなくちゃいけない、事務員として、サンイーターのファンとして
────天喰環の恋人として
「行ってらっしゃい、環くん」
安心させたくて、必死に笑った
口角を上げて、天喰を見つめる
頭に過ぎるのは、放火事件のときの天喰の怪我
(大丈夫、あんなこともうない、大丈夫────)
そう言い聞かせて、笑って
すると、天喰は息を呑んでからぐっとAを引き寄せ────抱きしめた
「俺が、無理して笑わせてるのか」
辛そうな、感情を押し殺す声に、「違うよ、私が勝手に」と否定する
「────だから、ちゃんと言う」
天喰は身体を離すと、Aの両手を祈るように包み込んだ
「大丈夫、俺を────信じて」
────あの日を思い出した
貴方に助けて貰った、あの日
天喰は、あの日と同じ声を、安堵する力強い瞳をしていた
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天喰ルナ - 天喰推しにはたまんない、、、最高です！！最後まで見ます！！ (2021年1月12日 17時) (
レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 一姫さん» すみません、スタマイではありません…。私が考えた架空の製薬会社名なのですが、同じような名前の会社があるのでしょうか？ (2019年12月17日 18時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
一姫 - 夏目製薬って、もしかしてスタマイですか？！.｡.:*･'(*°∇°*)'･*:.｡. (2019年12月17日 14時) (レス) id: 2938947de7 (このIDを非表示/違反報告)
一姫 - 夏目製薬って、もしかしてスタマイですか？！.｡.:*･'(*°∇°*)'･*:.｡. (2019年12月17日 14時) (レス) id: 2938947de7 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます！一応ではありますが完結しました！続編もこれから書いていきますので、見てくだされば幸いです！これからも更新頑張ります！ (2019年2月22日 20時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年2月10日 21時
