環くんと存在 ページ32
穏やかな秋晴れの日────しかし、Aの心は晴れていなかった
(…環くん)
心の中で呟きながら紅茶を飲んでいると、他の事務員が顔を覗き込んできた
「浮かない顔やなぁ、まぁ今日は1日居んからなぁ、サンイーター
もうっ、どんだけぞっこんなんや！」
「えっ…、そ、そんなこと…ある、けど」
そう、今日は例の東京での会議
なんでもファットガムは未参加との事で、天喰のみが東京へ向かった
早くて真夜中、遅くて明日の昼、か────
なんだろう、放火事件のときはヒヤヒヤして、終始気になっていたけど
今回は…なんか、心に隙間風が通っているような、そんな気分だ
(思えば私、毎日環くんといたもんなぁ…)
彼がいない日、それは初めてで
(環くん、いるのが当たり前になってたけど…
そんなことない)
一緒にいることがどれだけ幸せか
存在がどれほど大きいか、Aは胸に噛み締めていた────
次の名の朝、寝ぼけ眼でアラームを止め、スマホを見ると天喰からメッセージが来ていた
がバリと起き上がり、すぐに確認する
『明日の昼に帰ります』
その簡潔なメッセージに、彼らしいなぁと笑いながら
『わかった、気をつけて帰ってきてね！』と送った
「おはようございます」
昼頃、事務所に響き渡ったその声に、Aはドアの方を見る
そこには普段と変わらない姿の天喰がおり、Aは胸をなでおろした
「おはよう、環くん」
嬉しさが抑えられなくて、笑顔で挨拶すると、天喰も笑って「おはよう」と返した
「ファットガム」
そうかと思えば、天喰はすぐに真剣な表情に変え、たこ焼きを食べるファットガムに数枚の書類を渡し、小声で何かを伝えていた
「…よし、わかった、お疲れさん、おおきに」
「いえ」
(もしかして、近いうちに何かあるのかな？)
気になりつつ、仕事に励まなくちゃ！とAは息を吸って仕事に打ち込んだ
「三日後、出張することになった」
帰り道、天喰の突然の言葉に、Aは息を呑んだ
「会議で決まったんだね」
「うん、1週間はいない」
1週間と長い期間に、Aは少々不安を覚えるも、ふるふると首を振って目尻を下げた
「そっかぁ…、」
"寂しいなぁ"なんて言葉、飲み込んだ
こんなこと言ったら、環くんが困ってしまう
黙り込んでいると、突然立ち止まった天喰がAの頬に触れて
「────無理に、笑わないで」
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天喰ルナ - 天喰推しにはたまんない、、、最高です！！最後まで見ます！！ (2021年1月12日 17時) (
レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 一姫さん» すみません、スタマイではありません…。私が考えた架空の製薬会社名なのですが、同じような名前の会社があるのでしょうか？ (2019年12月17日 18時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
一姫 - 夏目製薬って、もしかしてスタマイですか？！.｡.:*･'(*°∇°*)'･*:.｡. (2019年12月17日 14時) (レス) id: 2938947de7 (このIDを非表示/違反報告)
一姫 - 夏目製薬って、もしかしてスタマイですか？！.｡.:*･'(*°∇°*)'･*:.｡. (2019年12月17日 14時) (レス) id: 2938947de7 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます！一応ではありますが完結しました！続編もこれから書いていきますので、見てくだされば幸いです！これからも更新頑張ります！ (2019年2月22日 20時) (レス) id: 3a55b14ac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま
| 作成日時：2019年2月10日 21時
