君色を瞳に映して【爆豪勝己】 (ページ27)

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「つーか、彩瀬の父親様が俺に何の用だよ。」

そう聞くと、目の前の男は今思い出しました、とでも言う表情をし、持っていた鞄の中から1つの箱を取り出した。

その箱の蓋を俺の前で開き、

「これを、あの子に渡して欲しいんだ。」

俺は目を見開いた。

それは、アイツがあれほど綺麗綺麗と言って見つめていたルビーのネックレス

「テメェ………、マジもんのストーカー極めてんな。」

「職業柄仕方ないの！」

男は1つため息をつき、蓋を戻す。

「何で俺を通してなんだよ、直接渡しゃ」

「君が渡す事で、あの子が救われるから。」

「…………はァ？」

意味が分からない。俺が綾瀬を救う？何から？
その言い草ではまるで、アイツが何かから逃れたいと思っているような。

「君は賢い。勘も鋭そうだ。………薄々、気付いてはいるんじゃないかな。」

「アイツの事なんか知るかよ。」

「俺は、あの子を苦しめることしか出来なかったんだ。たぶん、俺の愛するアイツも。……あの子が誰かの目を恐れないなんて、ましてや好きだと言うのはきっと、そういうこと。君にしか、出来ないよ。」

親も親なら子も子、か。

クソめんどくせぇ親子だ。ンなめんどくせぇ親子事情に俺を巻き込んでんじゃねぇ。

「だァーーーーッ！くそっ！クソがッ！渡しゃイイんだろ！わーったわ！」

ガッと乱暴に男の手からネックレスの入った箱を奪い取る。
急な展開に、男は「お、」と声を漏らし、目を見開いたが、すぐににこりと笑顔になった。

その顔がどうもアイツの笑顔の面影があって胸糞悪ぃ。

「ありがとう。……あ、そうだ。最後に君に、呪いをかけてあげよう。」

「あ？」

「爆豪くんさ、」

「Aちゃんの事、好きだろ。」