17. Side ホソク ページ39
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あの日から、Aの雰囲気が変わった気がする。
いつもどこでも天使の微笑みを湛えていたはずのAが、ダンス中以外でも真剣な……というより、どこかヤンキーを彷彿とさせるような不機嫌気味な表情をするようになった。
不思議に思ったホソクがいつだったか冗談交じりに「なになに便秘〜？」と言ってみた時、いつもなら天使の微笑みで爽やかに受け流すAに、まるで「あぁん？」という台詞が聞こえてきそうな眼光で睨み返された。
天使の微笑みもそれはそれで少しだけ怖いけど、あんなに綺麗な顔で睨み付けられるともっと怖い。
以来、ホソクは少しだけAと距離を置くようになっていた。
そしてそれはホソクだけではない。
異変を感じ取った他のメンバーたちも、Aの扱い方に戸惑うようになった。
まるで、ここへ来た当初のよう。
少しずつ築き上げていたものが崩れて、また振り出しに戻ったような気分だった。
JH「A〜どこだ〜？」
JM「どこにもいませんね〜。一体どこにいるのやら……」
この日、ホソクとジミンはあるミッションのためオフにも関わらず事務所に来ていた。
あるミッションとは、デビュー曲の振付の一部を自分達で考えるというものだ。
代表から指名されたメンバーは、ダンス歴の長いホソクとジミン、そしてAの３人。
Aにも昨夜伝えていたはずだが、まさか寝坊したのだろうか。
JH「ジミナ。連絡はきてる？」
JM「いいえ、何も……」
JH「まじで寝てるのか〜？ あいつにしては珍しい……」
JM「でも今朝見た時、宿舎の下駄箱は空でしたよ？」
ならば一体どこをほっつき歩いているのか……。
まさか、男だらけのむさ苦しい共同生活に流石に嫌になったか？
というのも、年明けに８人のメンバー達はこれまで練習生として生活していた宿舎を離れ、新しく８人だけの宿舎に引越ししていた。
そこでも念の為、Aは一人部屋に入れられている。
もちろん、申し出たのはA本人ではない。
彼女との相部屋を拒んだのは、他メンバー達の方だ。
それは何故かと言うと、メンバー達の中に、理性と言う点でまだ不安があったからである。
JM「もしかして、"レン"で呼ばないと来てくれないとかですかね？」
JH「あ〜なるほど〜。確かにあいつ最近、Aって呼ばれるの嫌がるもんな」
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作者名：グミカン | 作成日時：2019年10月14日 2時
